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保護なきBJたち…ストーキングにとどまらず性的暴行や家族殺害まで=韓国

登録:2022-12-22 03:56 修正:2022-12-24 12:55
プラットフォームでの対応は微々たるもの
ゲッティイメージバンク//ハンギョレ新聞社

 「SNSには個人生活と日程をできるだけさらけ出さないことをお勧めします。私の場合は動画を配信しているので、視聴者にとっては『明日合コンがあります』、『明日運動しに行きます』、『その時は休みます』などがすべて情報になるんです」

 5月の配信でストーカー被害を受けていることを公開したBJ(自分の顔をさらけ出して動画配信する人)のリルカさんは、当時ユーチューブ映像でストーカーへの対処方法についてこのように語った。リルカさんは2019年6月から、身元不明の男性に3年近くストーキングされた。男性は最初は居住地をうろつき、SNSに変なメッセージを送ってきた。脅威を感じたリルカさんは引っ越したものの、男性にたびたび尾行され、住所を突き止められてしまった。男性は、リルカさんが配信で「頭が痛い」と言えば玄関の前に頭痛薬を置いていったり、配信中に玄関の呼び鈴を押したりした。バイクに乗ってリルカさんの乗るタクシーをつけ回し、並走してリルカさんを見つめ続けたりもした。リルカさんは結局この男性を警察に通報し、今年4月にソウル東部地裁はストーキング処罰法違反などを認め、懲役8カ月と罰金10万ウォン(約1万300円)、執行猶予2年を言い渡した。

 「ファンのことを通報する」という心理的負担からストーカー行為に耐えていると、性的暴行や強制わいせつなどの別の犯罪にも発展する。2020年に清州(チョンジュ)地裁は、20代の女性BJに「配信について助言し、編集も手伝う」と言い寄って自宅に誘い込み、類似強姦を犯した男性に、懲役2年を言い渡している。ソウル中央地裁も昨年、20代の女性BJに強制わいせつをはたらいた「視聴者」に懲役6カ月、執行猶予1年を言い渡した。

 制御されていないストーカー行為は、BJの家族に対する殺害や殺害の試みにつながるケースもあった。昨年10月にはソウル恩平区(ウンピョング)で30代の男性がストーキングしていたBJの母親を殺害し、その後、自ら命を絶った。また昨年、女性BJの母親を殺そうとした男性に議政府(ウィジョンブ)地裁が懲役3年を言い渡してもいる。この男性は「他の人間が被害者を自分のものにしてはならない」との考えから、被害者の母親を殺して被害者に動画配信をやめさせようと計画した。

 アフリカTVで常時活動しているBJは3万人あまりにのぼる。アフリカTV・Twitch・ユーチューブの3大リアルタイム動画配信プラットフォームの一日平均リアルタイム視聴者数は、先月は33万6000人あまり(アフリカトウミとTwitchトラッカーによる)と推定されるが、配信する側に対するいじめやストーキングが増える中、プラットフォームレベルでの対策に限界があることは明らかだ。

 アフリカTVは、顧客センターでストーカー関連被害の通報を受け付けており、プラットフォームサービス内でストーカー行為が確認された場合は、運営政策に則って遮断措置などを取ると表明している。ただし「プラットフォーム外」で起きるストーカー犯罪に対しては限界があるとの説明だ。アフリカTVは「ストーカー被害の通報を受けたら管轄警察署に通報する方法を案内しており、専門の相談士と連係する心理相談プログラムも無料で提供している」と語った。Twitchとユーチューブは外国のプラットフォームであるため、この程度の対応ですら、さらに制限がある。

 そのためリルカさんのような一部の国内外のBJたちは、ストーカー経験と予防法を紹介する映像を制作して共有してもいる。イングランド出身のTwitchストリーマー(BJ)、スイート・アニタさんは、2020年に「#stopstalking(ストップ・ストーキング)」というハッシュタグと共に、自身と他のストリーマーがストーカー被害を受けた経験を共有する映像を公開した。

 韓国性暴力相談所のキム・ヘジョン所長は「10代が主に使うプラットフォーム事業者に対して、『通報』ボタンがよく見えるように大きくしたり、告発時に会員関連情報を提供したりするなどのガイドラインを提示している。BJの場合は生計の手段と関連しているため、搾取構造と似たように作用する面がある。プラットフォームレベルで直ちに対応できるようにするプロセスが必要だ」と語った。

イ・ウヨン、チャン・ナレ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1072477.html韓国語原文入力:2022-12-21 06:00
訳D.K

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