原文入力:2010-03-02午後08:59:13(1647字)
20世紀 ネオコン式歩み, 21世紀 対北韓関係 動きがとれず
ソン・ウォンジェ記者
←写真 大統領府カメラマン団, 朝鮮中央通信,AFP連合.
# 2008年4月19日李明博大統領はジョージW. ブッシュ当時米国大統領と会い、韓-米同盟を‘21世紀戦略同盟’に一段階格上げさせることにした。その1ヶ月余りの後、泰剛中国外交部スポークスマンは 「韓-米軍事同盟は過ぎ去った歴史の遺物」として、李明博政府の韓-米同盟偏向基調に直撃弾を飛ばした。
# 2008年11月21日 李明博政府は第63次国連総会で、北韓人権決議案には 「人権は人類普遍の価値」として賛成票を投じたが、イラン人権決議案には‘石油外交’を考慮し棄権した。イ大統領は2009年の新年演説で 「いつでも北韓とパートナーとして協力する準備ができている」と南北対話を提案したが、その年の1月13日北韓軍総参謀部は「外勢を背負い対決の道を選択した以上、やむを得ず全面対決態勢に進入するだろう」と一蹴した。
←南北関係および北核日誌
米国に偏向・北には一方的
‘対北韓コントロールタワー’ない
李明博政府の2年間、こういう事例は何回も繰り返された。韓-米同盟復元,北韓人権改善という‘原則’を前面に掲げたが、結果は名分も失い国益も逃す‘政策失敗’だった。
こういう政策乱脈はどこから始まったのだろうか? 韓-米同盟だけを特権化し北韓との交渉を‘言いなりになること’と蔑む‘ネオコン'式接近法に捕らわれているためだとの分析が出ている。参加連帯平和軍縮センターは最近発表した‘李明博政府外交2年評価’で "高圧的で一方的な接近はブッシュ行政府初期と類似" しているとし "北が核を検証可能な方式で放棄すれば北の開放を助けるという発想には、韓半島核問題が複雑に続いてきた原因と脈絡に対する考慮がない" と批判した。
政策の方向と波紋を多角的に分析し調整する‘コントロールタワー’が消えた点も理由の一つに挙げられる。特に対米偏向が強く南北関係を国際関係の従属変数と眺める外交通商部の‘原則’的見解を適切に制御し、対話相手として北韓の境遇を総合的に反映する調整機能が見られないという指摘が多い。一言で言えば国民政府のイム・ドンウォン,参加政府のイ・ジョンソクのような‘キーマン(keyman・核心調停者)’がいないということだ。
南北,国際関係 従属変数化
名分・実益なき失敗 自ら招来
民間研究機関のある専門家は 「現政権の外交安保ラインの最も大きな問題点は地域的見解がなく、国際的見解を持った人々だけが布陣されており、南北関係が過小に扱われているという点」と話した。参加政府高位職出身のある専門家は「総括リーダーシップがなく政策調整機能が不十分であり、状況追随的な対症療法で一貫している」と要約した。
貧弱な‘原則’に拘った結果、李明博政府が強調してきたもう一つの政策方向である‘実用’は座標を失っている。去る1月29日には李明博大統領が英国<BBC>と会見し「金正日委員長と年内に会うことができそうだ」とし年内首脳会談の可能性を直接浮上させたが10日後の金剛山観光実務会談では折衝点導出に積極性を示さなかった。
キム・ヨンチョル ハンギョレ平和研究所所長は「受け取ることばかり話し、与える必要はないという態度は協議にはいる姿勢とは見られない」と指摘した。李明博政府が再度の政策失敗を繰り返さないようにするには、北韓の‘譲歩’を圧迫することに劣らず、自らも南北関係発展の真正性を見せるべきだということだ。 <終わり>
ソン・ウォンジェ記者 wonje@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/407677.html 訳J.S