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韓国で真昼にモデルガンを持って地下鉄に乗った30代男性…警察が捜査、なぜ?

登録:2022-09-01 03:02 修正:2022-09-01 10:37
現行法は「模擬銃砲」も所持禁止 
「本物に似た」銃器を取り引きして処罰された例も
ゲッティ・イメージバンク//ハンギョレ新聞社

 白昼にモデルガンを持って地下鉄に乗った30代の男性が警察の捜査を受けている。現行法によると、本物の銃器でなくても、本物に似た銃器を所持するだけでも処罰されうる。

 ソウルの冠岳(クァナク)警察署は31日、銃砲・刀剣・火薬類などの安全管理に関する法律(銃砲火薬法)違反の疑いで30代の男性A氏を捕らえ、捜査を行っていると発表した。A氏は28日午後12時5分に蚕室(チャムシル)駅からモデルガンを携帯してソウル地下鉄2号線に乗車し、新林(シンリム)駅まで移動した疑いがもたれている。市民の通報を受けて出動した警察は、A氏に任意同行を求めて捜査中だ。冠岳警察署の関係者は「男性が所持していた銃器はおもちゃの銃のように殺傷力のない銃器とみられるが、もう少し調査してみなければならない」とし「入手経路、地下鉄に銃器を持って乗った動機なども追って調査する予定」と述べた。

 現行法によると、実際の銃器でなくても、A氏のように「本物に非常に似ている」銃器を所持するだけでも処罰対象になりうる。銃砲火薬法第11条1項は「銃砲と酷似して見えるもの(模擬銃砲)を製造・販売または所持してはならない」と規定している。同法の施行令は「模擬銃砲」について(1)金属または金属以外の素材で作られたもので、形が銃砲と非常に似ていて犯罪に悪用される素地が顕著なもの(2)発射したり音・火花を出すもののうち、人命・身体上の危害を加える恐れのあるもののいずれかと規定する。警察庁生活秩序課の関係者は「2つの条件のうち1つに該当するだけでも模擬銃砲と判断できる。銃器との類似性は警察が判断し、危害の恐れは銃砲火薬安全技術協会が施行令に記されたいくつかの基準に沿って鑑定した結果をもって判断する」と語った。

 実際に、裁判所がモデルガンを所持したり取り引きしたりした人に罰金刑を宣告した例もある。大邱(テグ)地方裁判所は2016年、中古取り引きサイトで性能を向上させたモデルガンを20万ウォン(約2万600円)で販売しようとした20代の被告に、銃砲火薬法違反で罰金50万ウォン(約5万1600円)を言い渡した。この裁判で被告は「趣味でモデルガンを購入したもので、罪になるとは思わなかった」と訴えたが、裁判所は「単純な法律の不知は事件犯罪の成立と処罰に何ら影響を及ぼさない」と判決している。同法に違反した者は2年以下の懲役、または500万ウォン(約51万6000円)以下の罰金に処されうる。

コ・ビョンチャン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1056925.html韓国語原文入力:2022-08-31 15:30
訳D.K

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