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韓国の莞島行方不明一家、海中の車内で遺体となって発見…警察、死因・足取りを追跡

登録:2022-06-30 08:51 修正:2022-06-30 11:36
莞島の船着き場近くに車を引き上げ 
遺体は腐敗がひどく外傷確認できず 
車の変速機は「P」に…破損の跡はなく 
警察、解剖・車両鑑定を依頼する方針
29日午後、警察が全羅南道莞島薪智面の松谷船着き場近くの海中から引き上げたチョ・ユナさん一家の車を陸に運んでいる=キム・ヨンヒ記者//ハンギョレ新聞社

 先月から全羅南道の莞島(ワンド)で行方不明になっていたチョ・ユナさん(10)一家が、海に沈んだ車の中で遺体となって発見された。警察は正確な死因を究明する一方、莞島で行方不明になるまでの一家の足取りを追跡している。

 光州(クァンジュ)南部警察署は29日午後12時20分ごろ、全羅南道莞島郡薪智面(シンジミョン、薪智島)の松谷(ソンゴク)船着き場の防波堤から80メートル沖の海中から、ユナさんの家族が乗っていた車を作業開始2時間後に引き上げた。車はひっくり返ったまま前の部分が底面に埋まっていて、内部は泥でいっぱいになっていた。

 警察は陸に引き上げられた車の運転席で30代男性の遺体を、後部座席で30代女性と女の子の遺体を発見した。30代の男性はシートベルトを締めており、後部座席の遺体はシートベルトをしていない状態だったと警察は語った。車の変速機は駐車状態の「P」になっていたが、車体に大きく破損した跡が見られなかったことから、海に転落する前の外部衝撃はなかったと警察は把握している。遺体は腐敗がひどく、肉眼では外傷や身元などを確認できなかったという。警察は発見された遺体がユナさん一家であると確信しているが、正確な身元把握のために指紋対照、遺留品分析を進めている。南部警察署のムン・ヨンウン刑事課長は「遺体を国立科学捜査研究院に送り、検視や解剖などによって死亡原因を究明する。車両も鑑定を依頼して交通事故、故障の有無を判別する方針」だと明らかにした。

 引き上げ作業を見守っていた松谷村の住民たちは、遺体が発見されたというニュースに悲しみを示した。イ・ジョングムさん(78)は、「両親はともかく子どもまで死んだという知らせに胸が痛む。なぜ何の罪もない子どもが犠牲にならなければならないのか、悲しい」と話した。光州市教育庁も「最後まで希望を持っていたが、残念なニュースに接することになった。ユナさん一家に深い哀悼を送る」と立場を明らかにした。

 ユナさんの両親は昨年職場を辞めた後、今年まで無職状態であり、家の玄関には各種の告知書・督促状があるなど、経済的困難を負っていたと伝えられている。警察はユナさんの両親のポータルサイト活動履歴分析を通じて、仮想資産「ルナ」や「睡眠制」、極端な選択(自殺)を暗示する単語を検索した履歴も確保した。

 光州に住むユナさん一家は、先月19日から今月15日まで「済州1カ月暮らし体験」をするとして校外体験学習申請書を提出した後、先月24日から30日午後11時ごろまで莞島の薪智鳴沙十里(シンジミョンサシムニ)海水浴場近くのペンションで過ごした。莞島の薪智面は、ユナさんの父親の母方の実家があった莞島の古今島(コグムド)と隣接したところだ。ユナさんの通う学校は、体験学習期間が終わった今月16日になってもユナさんが登校しなかったため家を訪ねたところ、空き家であることを確認し、21日に警察に通報した。警察は24日、行方不明警報を発令し、薪智島一帯を大々的に捜索した。警察はユナさん一家の車が先月30日午後11時6分に松谷船着き場付近の防波堤側に進入する監視カメラ(CCTV)の映像を確保し、捜索の速度を上げ、防波堤付近の海中で車を発見した。

キム・ヨンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/area/honam/1049032.html韓国語原文入力:2022-06-30 02:41
訳C.M

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