韓国の行政安全部(行安部)は、警察の業務と組織を担当する新たな組織(警察局)の下絵とともに、警察庁長に対する指揮権行使の根拠となる内部規則の制定案を来月15日に公表することを決めた。警察に対する政府の直接統制は不適切だとの批判があるにもかかわらず、耳を傾けることなく当初の計画を速攻で推し進めるとの考えを明確にしたのだ。キム・チャンリョン警察庁長は、行安部の発表直前に辞意を表明した。
イ・サンミン行政安全部長官は27日、政府ソウル庁舎別館でブリーフィングを行い「歴代政権の警察に対する指揮・監督のあり方の問題と共に、最近は警察の権限が急激に拡大・強化されていることから、警察の管理体系の改編や捜査力量の強化などの補完策が必要な状況」だとし「行安部内の警察に関する支援組織の新設、所属庁長に対する指揮規則の制定、および人事手続きの透明化は早急に推進する」と述べた。続けてイ長官は「7月15日までに最終案を策定して国民に発表し、関連規定の制定・改正に着手する計画」だと語った。行安部は、最終案策定前に討論会、記者懇談会、関係機関との協議などの意見集約過程を経る予定だ。
警察制度改善諮問委員会は21日、関連内容を盛り込んだ勧告案を発表している。行安部は諮問委の発表から1週間足らずで、警察業務組織と指揮規則制定案を発表することを明らかにしたことになる。現政権が警察統制を推し進めていると言われる理由がここにある。
イ長官は、警察統制を推し進めているとの批判について「歴代政権を見れば、大統領府が警察を直接指揮・統制しているケースが数多くある。行安部を経るように規定している憲法と法律に違反して行安部をパッシングしたもの」と述べた。同氏は今回の措置を「非正常の正常化」と規定した。
行安部案に反対の意思を明らかにしてきたキム・チャンリョン警察庁長はこの日、イ長官の発表直前に辞意を表明した。キム庁長は立場を表明した文章の中で「国民の立場からの最適の方策を導き出すことができず申し訳ない。警察庁長として私に与えられた役割と責任について深く悩んだ結果、現時点で私が辞任することが最善だと判断した」と語った。キム庁長は先週末、イ長官と98分間にわたって電話で話し合い、行安部の速攻に憂慮を表明したという。
大統領室はキム庁長の辞意表明に不快感を隠さなかった。大統領室の高官は記者団に対し、キム庁長が尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領のスペイン訪問に向けた出国の直前に辞意を表明したことについて、「我々としては『なぜだ』と言うべき状況だ」とし、「尹大統領が帰国すれば、十分に経緯を把握しなければならないだろう」と述べた。大統領室は「キム庁長が辞表を提出すれば、今後は法と規定、手続きに従って判断する」と述べた。