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「四葉環」「パク・ムンデ」…韓国のMZ世代はアニメキャラクターの名前で寄付する

登録:2022-05-05 20:28 修正:2022-05-06 09:29
アイドルのファン活動を越え、アニメのファン活動で寄付に参加 
寄付への参加率は減ったが、ファンダム寄付は4年間で「4倍」 
「MZ世帯」のオンラインコンテンツ愛、寄付文化の広がりにつながるか
ウェブ小説『デビューできなければ死ぬ病気にかかった』の表紙イメージ。主人公「リュ・ゴヌ」は酒を飲んで眠った翌日に「パク・ムンデ」の体に憑依してアイドルに挑戦することになる=カカオページのウェブサイトよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 先月1日、ホルト児童福祉会には、「ヨツバタマキ」という名前で後援金20万ウォン(約2万1000円)が入金された。調べてみると、ヨツバタマキ(四葉環)は、日本のアニメ『アイドリッシュセブン』に登場するキャラクターだった。実在のアイドルのファンクラブのように、アニメの四葉環の誕生日(4月1日)に合わせ、ファンクラブが彼の名前で寄付したものだった。昨年末にも、モバイルコンテンツのプラットフォームのカカオページのウェブ小説『デビューできなければ死ぬ病気にかかった』の登場人物「パク・ムンデ」の誕生日を記念し、彼のファンたちが82万ウォン(約8万4000円)をホルト児童福祉会に寄付した。

 人気アイドルグループや有名芸能人のファンクラブが、自分たちの好きな歌手などの誕生日やデビュー日など特別な日に合わせて寄付や植樹などの公益活動を行う「第1世代ファンダム寄付」は継続して行われてきた。最近は、オンラインコンテンツの消費に慣れたMZ世帯(1980~2000年代初頭生まれのミレニアル世代と1990年代中盤~2000年代生まれのZ世代を合わせた言葉)を中心に、実在の人間ではないバーチャル・インフルエンサー(仮想人間)やアニメ、ゲームのコンテンツの仮想キャラクターのファンが主導する「第2世代ファンダム寄付」が増えている。

3月25日、「バーチャル・インフルエンサー」のロジが自身の公式インスタグラムのアカウントにアップロードした「オロジ地球チャレンジ」関連の投稿=インスタグラムよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 昨年の統計庁社会調査の結果によると、寄付経験があるという回答は21.6%で、2019年(25.6%)に比べ4ポイント減少した。特に、10代(10.3%)と20代(12.9%)の寄付参加率が低かった。このような状況において、若い世代がオンラインコンテンツの登場人物に強い反応を示すと、慈善団体は非実在物のキャラクターを前面に出した寄付参加キャンペーンに乗りだしている。グッドネーバーズは、先月22日のアースデイを前に、広告モデルなどとして活躍するバーチャル・インフルエンサーの「ロジ」とともに、使い終わった横断幕を再利用してキーホルダーを製作する「オロジ地球チャレンジ」を始めた。ロッジがインスタグラムでこのキャンペーンを伝えた投稿には「いいね」が6000個近く付くなど、大きな反応を引き起こした。グッドネーバーズの分かち合いマーケティング本部のファン・ソンジュ部長は5日、「ロジに対するMZ世代の反応と認知度、好感度が高まり、ロジを通じて気候変動に敏感な人々の共感と参加を引き出すことができると判断した。今後もMZ世代が追求する様々な寄付方式に合わせ、新たな寄付文化の形成と参加を引き出す予定」だと述べた。

 一方、第1世代ファンダム寄付も増加を続ける傾向にある。「美しい財団」の寄付文化研究所と米国インディアナ大学リリー・ファミリー・フィランソロピー・スクールが、過去5年間の韓国内のファンダム寄付の規模を分析した結果によると、2016年の7億7200万ウォン(約8000万円)から2020年は34億5300万ウォン(約3億6000万円)へと4倍以上増えた。ミラル福祉財団のオ・ソルギル広報チーム主任は、「ファンダム寄付の問い合わせが増え、これが実際の寄付につながっており、財団レベルで『善い“推し活”シリーズ、ファン寄付チャレンジ』などのプログラムも作っている。ファンの寄付に影響を受けたスターが逆にファンクラブの名前で寄付に参加するなど、分かち合いの好循環が起きている」と述べた。

コ・ビョンチャン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1041712.html韓国語原文入力:2022-05-05 16:53
訳M.S

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