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韓国「月城原発地下水のトリチウム、廃樹脂貯蔵タンクから漏れたか」

登録:2022-05-05 03:00 修正:2022-05-05 08:47
原子力安全委の民間調査団、第2次中間発表 
「漏れた水が地下水に混じって濃度が上昇」 
ボーリング孔を開けて外部への漏れの詳細調査へ
原子力安全委員会トリチウム民間調査団が敷地内のトリチウム流出について調査を進めている月城原発。右が永久停止された月城1号機/聯合ニュース

 原子力安全委員会トリチウム(三重水素)民間調査団は、慶尚北道慶州市(キョンジュシ)の月城(ウォルソン)原発の地下水観測井戸で測定された高濃度トリチウムの流出源として、原発の廃樹脂貯蔵タンク(SRT)をあげた。原発を運営する韓国水力原子力は、流出問題初期の昨年初め、観測井戸の高濃度トリチウムは地下施設というより大気に放出されたトリチウムに起因する可能性が高いと説明しているが、調査団の指摘はこれと相反する。

 調査団は4日、「月城原発トリチウム第2次調査の経過および今後の計画」を発表し、その中で、「月城原発の観測井戸(WS-2)の地下水の高いトリチウム濃度の原因は、1号機の廃樹脂貯蔵タンクからの水漏れに起因するものと判断される」と明らかにした。廃樹脂貯蔵タンクは、原発の稼動中に発生する放射性物質の吸着除去に使用された樹脂を集めておくプール型のコンクリート構造物で、各号機に3つ設置されている。調査団は「廃樹脂貯蔵タンクから漏れた水が周辺の地下水とともに1号機擁壁の排水孔に流入したことで、貯蔵タンクに近い5番排水孔から昨年12月27日にはリットルあたり383万ベクレルのトリチウムが確認されている」とし「擁壁の集水槽に集まった地下水が雨水配管を通じて排出される過程で漏れ、隣接するWS-2観測井戸のトリチウム濃度がリットルあたり2万8200ベクレルにまで上昇したものと推定される」と説明した。

 調査団はまた、環境団体などが提起した地下水を通じた原発敷地外へのトリチウム流出を確認するため、今月から敷地内で詳細な調査を行うことにしている。詳細調査は、ボーリング孔を開けて地下水の流路を把握した後に、最新の地下水モデリング技法を用いて地下水内の放射性物質の拡散を評価するという方式で行われる予定だ。調査団のホン・ソンゴル団長(ソウル大学建築学科教授)は、「(韓水原などのこれまでの調査結果の)報告書を見ると、外部流出はまだはっきりとあるとはいえず、今後5つほどのボーリング孔を開けて確認してみる」と述べた。

キム・ジョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/1041658.html韓国語原文入力:2022-05-04 22:37
訳D.K

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