釜山大学が、チョ・グク元法務部長官の娘の医学専門大学院への入学を取り消した。
釜山大学は5日、「教務会議を開いて審議した結果、新入生募集選考時に虚偽の書類を提出したチョ・グク元長官の娘のCさんについて、2015年度の医学専門大学院への入学の取り消しを最終決定した」と明らかにした。チョ元長官の妻のチョン・ギョンシム元東洋大学教授の最高裁での有罪確定判決が、決定的な影響を及ぼした。教務会議には、釜山大学のチャ・ジョンイン総長や各学部長、企画処長ら教務委員32人が参加した。
Cさんをめぐる釜山大学医学専門大学院への裏口入学の議論は、2019年にチョン氏が教授として在職中だった東洋大学の総長名の表彰状が偽造されたという疑惑が提起されたことで広がった。東洋大学の表彰状は、Cさんが釜山大学医学専門大学院に提出した入学書類の一つだった。当初、釜山大学は、推定無罪の原則により、最高裁の最終判決後にCさんに関する処分を決める計画だったが、昨年4月、裁判所の判決とは別に措置を取るよう教育部の勧告を受け、入学選考公正管理委員会を設け、Cさんの裏口入学の疑惑調査に乗りだし、同年8月、Cさんの医学専門大学院の入学取り消し予定処分を下した。医学専門大学院の新入生募集要綱では、記載事項と提出書類が異なる場合は不合格処理をすることになっており、Cさんが提出した書類の記載事項が事実と異なることが理由だった。
当時、釜山大学はCさんに結果を伝えた後、当事者の意見陳述などを聞く聴聞に入った。聴聞は今年1月と2月に2回行われ、先月8日に終わった。これとは別に、最高裁は1月27日、子どもの入試不正などの容疑でチョン氏に懲役4年を宣告した原審を確定した。最高裁は、Cさんの東洋大学総長の表彰状、東洋大学補助研究員、檀国大学医科学研究所でのインターンおよび論文1著者、公州大学生命工学研究所でのインターン、韓国科学技術研究院(KIST)でのインターン、ソウル大学共益人権法センターでのインターン、釜山アクアパレスホテルでのインターン証明書などをすべて虚偽だと認めた。
Cさんの釜山大学医学専門大学院への入学が取り消され、医師免許取り消し手続きが続く予定だ。医療法は、医学部で学士の学位を得るか、医療専門大学院で修士または博士号を取得することにより、医師免許の取得資格を付与されるよう規定している。保健福祉部は、当事者の意見聴取などの手続きを経て医師免許の取り消し処分を下すが、Cさんが訴訟を起こせば裁判所の判断を受けなければならず、実際の免許取り消しまでには時間をかなり要することもありうる。2014年に釜山大学医学専門大学院の随時募集(推薦入学)に合格したCさんは、昨年1月に医師免許を取得し、2月に医療専門大学院を修了した。
Cさんの釜山大学医学専門大学院の入学取り消しの最終決定について、チョ元長官はフェイスブックで、「娘の訴訟代理人が、釜山大学の入学取り消し決定について、本案判決の確定日まで効力を停止する執行停止申立てを提出した」と明らかにした。
さらに、「釜山大学の入学選考公正管理委員会の自己調査結果書によると、問題になったこの事件の経歴と表彰状は、入試に影響を及ぼさなかったことがわかった。4つの経歴を志願書に記載して証拠書類は提出せず、表彰状だけを提出した。問題になった経歴を記載しなかったり表彰状を提出していなければ不合格だったはずだという論理は妥当ではないということが、釜山大学の自己調査の結果」だと反論した。
チョ元長官はまた、「当落にまったく影響がない経歴記載を根拠に入学許可を取り消し、結果的に医師免許を無効とするのは、申請者にはあまりにも苛酷な処分だ。この事件の処分で実現する共益に比べ、申請者が被ることになる不利益は非常に大きく重大だ」と主張した。