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韓国ではなぜ「鼻の奥まで挿入する検査だけ」?…唾液検査は正確性低く人手が増える

登録:2022-02-04 20:28 修正:2022-02-05 10:26
「唾液検査にしてほしい」要求あるが、正確性・効率性が低いため
昨年12月12日午後、ソウル市松坡区の蚕室総合運動場第2駐車場に設けられた新型コロナ臨時選別検査所で子どもがPCR検査を受けている=キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

 オミクロン変異株で新型コロナ感染者が2万7千人あまりに達した中で、鼻の奥に綿棒を入れる(鼻咽頭ぬぐい液)検査方式の代わりに唾で検査する「唾液検査」を要求する声が絶えない。特に子どもの場合、口腔検体を利用できるようにしてほしいとの要求があるが、防疫当局は相対的に低い正確度と非効率性を理由に、従来の鼻腔検体採取方式の遺伝子増幅(PCR)検査を維持した方が良いとの立場だ。

 「ママカフェ」など地域のオンラインコミュニティでは、児童を対象に唾液を容器に入れる唾液PCR検査や、口内に綿棒を入れる(口咽頭ぬぐい液)検査にしてほしいとの掲示文が多く見られる。口腔内検査が可能な選別診療所を問い合わせる掲示文も多い。今月2日には子どもが鼻腔に綿棒を入れる新型コロナ診断検査を受けた後、鼻血でマスクが濡れたという掲示文がり、親たちの不安はさらに高まった。昨年末には嬰児対象の新型コロナ検査については唾液検査を導入してほしいとの請願文が大統領府の国民請願掲示板に上がりもした。

 現在、防疫当局はPCR検査法について鼻腔から検体を採取する鼻咽頭ぬぐい液検査を原則としている。医学的に鼻腔検体を採取できない例外的な場合にのみ、口腔内の検体を利用する。唾液PCR検査は、2020年末の第3波流行当時に政府が臨時選別検査所に限って導入したことがある。ただし、唾液検査は、同じ遺伝子増幅検査でも鼻腔から綿棒を挿入する既存の方式より正確度が低い点が問題点として挙げられる。敏感度(感染した人を陽性と判別する能力)は、鼻腔に挿入する鼻咽頭ぬぐい液採取方式では98%以上だが、唾液検査方式は92%にとどまる。翰林大学のチョン・ギソク教授(呼吸器内科)は4日「唾液には様々異質物が入っているので、唾液検査の正確度は既存のPCR検査の80%程度とみれば良い」と話した。

 オミクロン対応システムにより導入された迅速抗原検査よりは唾液PCR検査の方が正確度は高いが、結果が出るまでがやや非効率的だという問題もある。嘉泉大学吉病院のオム・ジュンシク教授(感染内科)は「唾液検査は検体採取後に検査をするために処理をする過程が長くかかる。検体を容器に入れる人には容易だが、検査をするためには(医療スタッフの)手が多くかかるという問題がある」と話した。この日、中央防疫対策本部のコ・ジェヨン危機疎通チーム長は「唾液検査の現場適用を評価した結果、唾液検体は大量検査が難しく、検体の前処理過程で人手と時間が追加で必要になり、全面適用は難しいと判断している」と話した。結局、唾液検査は正確度と効率性の両面で鼻腔に綿棒を入れるPCR検査や迅速抗原検査に代わることはできないということだ。

ソ・ヘミ、キム・ユンジュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1029782.html韓国語原文入力:2022-02-04 18:20
訳J.S

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