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韓国平沢の米軍部隊で感染者急増…オミクロン拡散に住民不安

登録:2022-01-14 19:44 修正:2022-01-15 06:56
最近21日間で4805人感染…米軍が46%を占める 
在韓米軍、外出禁止・外部活動制限など防疫強化
[資料写真]平沢の選別診療所=平沢市提供//ハンギョレ新聞社

 新型コロナのオミクロン変異株感染拡散が確認された京畿道平沢(ピョンテク)で、米軍部隊を中心に感染者が急増している。在韓米軍は外出禁止などの措置を強化したが、地域にも急激に感染が広がっており、市民の不安が高まっている。

 14日の平沢市の新型コロナ感染者現況をみると、この間一日50人(米軍含む)前後に過ぎなかった平沢地域の新型コロナ感染者が、クリスマスと年末を過ぎてから急増した。先月24日から今月13日まで平沢地域の新型コロナ感染者は4805人と集計された。これは、平沢地域の累積感染者1万3171人(米軍3370人含む)の36%に達する数値だ。

 この期間の感染者全体の54%(2596人)は平沢市民で、残りの46%(2209人)は在韓米軍と家族、部隊内従事者など米軍部隊関連感染者に分類された。この期間に一日平均228人が感染したわけだ。今月12日からは500人台を超えた。同日0時現在の平沢地域の新規感染者は759人で、このうち538人が米軍関連の感染者であった。ただし、これは前日(13日0時現在)漏れた米軍関連感染者247人が含まれた数値だ。この期間の平沢の人口10万人当たりの新型コロナ感染者数は463人に達する。米軍は平沢の人口に含まれない。

 防疫当局は、平沢地域の感染が在韓米軍と関連して広がったと推定しているが、明確な感染経路は見つかっていないという。また市は、平沢地域でオミクロン変異株が拡散しているとみている。これに先立って市が先月30日から今月8日まで選別診療所を訪れた市民の検体サンプル775件を無作為で選定し、京畿道保健環境研究院に分析を依頼した結果、陽性判定62件中55件(89%)からオミクロン変異株が検出されたためだ。防疫当局は、オミクロン変異株への感染者疫学調査の過程で、米軍部隊内のクラブなどで感染が拡散したと推定している。

 在韓米軍は、基地内で感染者が急増したため、今月24日までの外出禁止など保健防護態勢(HPCON)を「ブラボー」から「ブラボープラス」(Bravo+)に上方修正した。また、営外の飲食空間、スポーツジム、クラブなどの対面活動施設の全面禁止、外部活動制限などの措置を施行中だ。

 しかし、オミクロン変異株の拡散に市民の不安は高まっている。自営業者で40代のCさんは「現在、平沢で伝染性の強いオミクロン変異株が流行し、一日に数百人ずつが感染しており不安だ」としながら「地域社会にオミクロン感染者がどれだけいるかもわからない。状況がこれ以上悪くならないよう願う」と話した。平沢市のチョ・ミンス保健事業課長は「住民が不安に思っていることをよく分かっている。現在は在韓米軍は外出禁止などの措置により防疫統制範囲内にあるとみる」として「今後は地域社会の感染拡散を防ぐことがカギ」と話した。市は10日から予防接種完了者についてもオミクロン変異株感染者と接触者は10日間自宅隔離し、日常接触者も10日間の能動監視体制に転換するなど対応を強化した。

 小中高生の感染者も急増しており、教育当局も超非常態勢だ。平沢地域の学校224校のうち、64校(29%)で新型コロナ感染者が発生した。4日から12日までに児童生徒253人が感染した。平沢地域のすべての学校はこの日から休みに入ったが、安心はできない状況だ。京畿道教育庁は、学童保育や私立幼稚園などに登校生徒の現況把握と防疫状況を点検するよう指示した。

 一方、中央防疫対策本部(防対本)は13日、在韓米軍、行政安全部、平沢市などと共に在韓米軍に関連した防疫管理強化のための第2回会議を開催し、対応策を議論した。防対本はこの席で、新型コロナの状況情報を公開し透明性を高めなければならないという意味で、在韓米軍に感染者数など新型コロナの状況に関する情報を周期的に提供するよう要求した。

イ・ジョンハ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/area/capital/1027372.html韓国語原文入力:2022-01-14 17:00
訳J.S

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