本文に移動

岸田内閣発足後初の韓日高官級協議…最初からギクシャク

登録:2021-11-19 02:09 修正:2021-11-19 07:19
韓米日外務次官協議に際して韓日のみで会談も 
警察庁長の独島訪問への反発などで共同記者会見が実現せず
外交部のチェ・ジョンゴン第1次官(左)は17日(現地時間)、米ワシントンで日本外務省の森健良事務次官と韓日外務次官会談を行った=外交部提供//ハンギョレ新聞社

 日本の岸田文雄新政権発足後初となる韓日高官級対面協議が行われた。日本側がキム・チャンリョン警察庁長の独島訪問に抗議するとの趣旨から、17日(現地時間)午後に予定されていた韓米日3カ国の外務次官による共同記者会見に出席しなかったことで、最初からギクシャクしたかたちとなった。

 外交部は18日、報道資料を発表し、その中で「第9回韓米日外務次官協議に出席するため米国を訪問中のチェ・ジョンゴン第1次官は、現地時間11月17日(水)午後、日本外務省の森健良事務次官と韓日外務次官会談を行った」と明らかにした。続いて「今回の次官会談は、日本の新内閣発足(11月10日)以降に初めて行われた韓日両国の高官級対面交流で、双方は韓日の主要懸案と相互の関心事について率直に意見を交わした」と付け加えた。

 外交部によると、チェ次官はこの席で、強制徴用および日本軍「慰安婦」被害者問題についての韓国政府の立場や、官民会議などを通じて被害者とのコミュニケーションに努めてきたことなどを説明し、今後の懸案解決に向けて韓日協議を早急に行う必要性を再確認したという。またチェ次官は、強制徴用労働者への賠償を命じた最高裁判所(大法院)による2018年の判決後に日本が続けてきた輸出規制措置や、福島第一原発の汚染水海洋放出などに対する韓国政府の立場も伝えたという。

 これに対して森事務次官は「韓国政府が強制徴用判決の解決策を提示すべきだ」との日本政府の従来の立場を繰り返した。両国の足を引っ張っている歴史問題をめぐって、この日も両次官は平行線をたどった。

 このほかにも両次官は、韓米日3カ国協力、コロナ禍の中で往来が制限されている両国国民の便益増進のための実質協力、朝鮮半島問題などについても意見を交わしたと外交部は明らかにした。加えてチェ次官は、森事務次官による独島に対する日本側の立場言及に対して「独島に対する日本のいかなる主張も受け入れられないということを明確にした」と付け加えた。外交部は、森事務次官が具体的にどのような発言をしたのかは公表していないが、キム庁長の独島訪問に抗議し、領有権主張を繰り返したものとみられる。松野博一官房長官は前日、キム庁長の独島訪問について「竹島は歴史的事実に照らしても、国際法上も、明らかに日本固有の領土」とし「到底受け入れられず、極めて遺憾」と述べている。警察庁は、キム庁長の独島訪問は「職員を激励するためのもの」と説明している。

 この日、米国務省で開かれる予定だった韓米日3カ国の外務次官による共同記者会見は、森事務次官の不参加でウェンディ・シャーマン米国務副長官の単独会見となった。これについてチェ次官は「日本側が韓国の警察庁長の独島訪問問題で会見に参加できないとの立場を伝えてきた」と明かした。

 いっぽう外交部は、両次官が韓日関係の未来志向的な発展に向け、外交当局同士で緊密な意思疎通を続けていくことを確認したと明らかにした。

キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/1019820.html韓国語原文入力:2021-11-18 13:52
訳D.K

関連記事