今年末までに世界各国が提出することになっている国家温室効果ガス削減目標(NDC、国が決定する貢献)通り炭素排出量を減らせば、2100年までに地球の平均気温上昇を2度以下に抑える確率が34%に達すると分析された。
米国エネルギー局傘下の太平洋北西部国立研究所(PNL)など国際共同研究チームは4日(韓国時間)、「新規に提出されるか更新されるNDCが実行されれば、2100年までに地球の平均気温上昇が産業革命以前に比べ2度以下になる確率は34%に達すると推定された。これは2015年に初めて提出された削減目標として予測した確率8%よりはるかに高い」と明らかにした。研究チームの論文は科学ジャーナル「サイエンス」に同日(現地時間)掲載された。(DOI : abl8976" target="_blank">10.1126/science.abl8976)
2015年に国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)の第21回締約国会議(COP21)で締結されたパリ気候協定は、加盟国が5年ごとにNDCを提出するようになっている。世界各国は今年末までに削減目標を新規に提出するか、既に提出した目標を更新して報告しなければならない。
韓国は2015年、2030年排出見通しに比べ37%を削減する案を初めて提出し、内部的に修正してきた。2019年には2017年の排出量に比べ24.4%を削減する案に修正したが、削減目標には手を加えず、算出方式を変えただけという批判を受けた。2020年末、国連に二度目の提出をし、事実上拒否された案だ。その後、上方修正した案を文在寅(ムン・ジェイン)大統領が1日、英グラスゴーでの当事国総会で公表した。2030年までに2018年の排出量より40%を削減する案として、まもなく正式に提出される予定だ。
研究チームは、9月30日基準で国連に提出された121カ国のNDCを基に分析した。大半の国家目標には、2025年、2030年、2035年までの短期削減が含まれている。
研究チームは、新たに提出または更新された目標と、新型コロナウイルスの感染拡大による経済的影響、太陽光電池価格の急落、電気自動車の拡散、二酸化炭素の捕集および活用技術など最新技術の動向などを反映した「地球気候変動分析モデル(GCAM)」で分析作業を行った。
研究チームは、各国が短期目標を達成した後、さらに強化した目標を樹立して実践すれば、2度以下に気温上昇を抑える確率は60%に上がり、1.5度以下に制限する確率も11%に高まると推定した。研究チームは「強化された目標」の概念を2030年まで現行の削減率を維持し、その後は同じ削減率を維持するか、年平均削減率が2%より低ければ目標を2%まで高めると設定した。
論文の著者である合同地球変化研究所(太平洋北西部国立研究所とメリーランド大学の共同研究センター)のヘウォン・マクジョン研究員は「研究結果のように肯定的な長期の気候見通しを実現させるためには、強化された目標を実行に移す必要がある。かなりの政治的・財政的・制度的・社会的・実践的問題が伴うが、政策と実践で克服すれば地球温暖化を2度以下に抑え、気候リスクが大きく軽減される」と述べた。