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起訴権 握った検察‘法適用 二重定規’…省察なく賊反荷杖(盗人猛々しい)

原文入力:2010-01-21午後07:46:22(2231字)
権力批判者 隅々まで暴き、三星餅代検事は調査もせず
盧前大統領 被疑事実公表には "公共の利益のため"
PD手帳 捜査時は‘公益目的’には目を閉じ、故意とわい曲に追い込み

キム・ナムイル記者,ノ・ヒョンウン記者,キム・ミョンジン記者

←キム・ジュンギュ検察総長が21日午前、ソウル,瑞草洞の大検察庁庁舎で開いた全国検事テレビ会議で挨拶をしている。(左側写真)イ・ヨンフン大法院長がこの日午後、ソウル,瑞草洞の大法院大法廷で開かれた‘私立学校に強制配分された学生たちの宗教の自由’と関連した全員合議体公開弁論を進行している間、メガネをかけなおしている。キム・ミョンジン記者 littleprince@hani.co.kr

検察が主要時局事件に対する裁判所の相次ぐ無罪判決に "不当な免罪符" , "ゴムひも判断" 等、激しい言葉を動員し反発している。しかし主要事件の進行を見守った相当数の法曹人は「検察が自らを省察する能力があるならば、自分の口から裁判所を非難することは難しいだろう」と指摘する。

カン・キガプ民主労働党代表に対する無罪宣告に「これが無罪ならば何を処罰できるか」と言った検察だが、本来比較にならないほど重要な意味を持った事件が検察の都合にあわせて闇に埋められた。検察は特に自分の組織が関わった事件では二重的な態度で一貫してきた。

代表的なものは三星秘密資金造成疑惑事件だ。2007年10月キム・ヨンチョル元三星構造調整本部法務チーム長の暴露により高位職検事たちを含む政・官界ロビー疑惑がふくらんだ。借名口座番号など具体的端緒が提示されたが、検察は「告発状が受け付けられて初めて捜査することができる」とし持ちこたえた。告発状が受け付けられた後には「ロビー対象検事名簿を公開しなければ事件を割り振りにくい」とした。‘検事は犯罪の疑惑があると思料する時には犯人,犯罪事実と証拠を捜査しなければならない’という刑事訴訟法条項は無視された。検察は世論に押され一歩遅れて特別捜査・監察本部を設けたが、検事たちに対する捜査や監察はついになされなかった。

検察の‘居直り式捜査’は最近、控訴審で無罪が宣告された‘安全企画部エックス ファイル’公開事件で克明になった。2005年当時、民主労働党議員だったノ・フェチャン進歩新党代表は国家安全企画部が1997年に盗聴したテープ内容を公開し、ここで‘三星餅代’授受疑惑がある前・現職検事7人の実名が明らかになった。しかし検察は "控訴時効が過ぎた" などの理由で金品提供・授受疑惑がある人々を調査せず、ノ代表だけを名誉毀損などの疑惑で起訴した。彼に無罪を宣告した裁判所は「合理性と理性を持った一般人ならば、検事たちに金品を支給したことだと強く推定をするのが当然だ」として検察の不十分な捜査を指摘した。

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昨年‘スポンサー’疑惑を受けて落馬したチョン・ソングァン前検察総長候補者は、ある企業家と15億ウォンを越える資金取り引きをした事実が明らかになったが、検察は監察さえしなかった。彼が政治家であれば代価性のある金品取り引きなのか捜査をしただろう懸案だ。

だが権力の影響が作用する事件では、水火も厭わず捜査-起訴がなされている。昨年検察は龍山惨事事件の捜査記録公開要求を 「裁判と関係がないうえに関連者の名誉や私生活の秘密侵害の恐れがある」として拒否した。反面、ほぼ同じ時期に‘PD手帳’事件では犯罪事実と関連のない放送作家の個人的な電子メール内容を原文そのまま公開した。検察はまた盧武鉉前大統領に対する被疑事実公表疑惑で告発された検察捜査チームを「その目的が公共の利益のためのもので、公表した事実が真実だと信じるに足る相当な理由がある" として不起訴処分した。しかしPD手帳事件では‘公共の利益’,‘真実だと信じるに足る理由’は無視し‘故意’と‘わい曲’だけを浮上させた。

結局、無理な法適用が唯一李明博大統領の‘政敵’に集中し、それゆえに無罪宣告確率が高まったのが今回の葛藤に原因を提供したということが裁判所内部の見解だ。チョン・ヨンジュ前韓国放送(KBS)社長は裁判所の調整に応じ巨額の背任を犯したという疑惑を受けたが、1審裁判所は何と10種類の理由を挙げて検察の主張を排斥した。‘(裁判に)かけることができるものは最大限かけてみよう’という態度も最近の時局事件にあらわれる特徴の一つだ。PD手帳事件,カン・キガプ前民主労働党代表事件ではつまらない内容まで控訴事実に含ませたが全て排斥された。

ホン・ソンス淑明女子大教授(法学)は「検察が裁判所を恨んでいるが、以前の判決を研究してみれば最近の検察捜査に対して無罪判決が下されてくるのが当然だ」とし「国家統制の最終手段である刑罰は制限的に使われなければならないという基本原則さえ忘れた検察の無理な起訴を先に反省しなければならない」と話した。
キム・ナムイル,ノ・ヒョンウン記者 namfic@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/400314.html 訳J.S