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母の葬儀に出ずアフガン人救う…「ミラクル」外交官激励した文大統領

登録:2021-08-31 06:56 修正:2021-09-04 07:12
「公館職員の身を惜しまない任務遂行、誇らしい 
私たちも移住と離散を経験…暖かい手を差しのべよう」
韓国に協力したことのあるアフガン人とその家族が26日午後、韓国空軍の輸送機に乗り仁川空港に到着し、新型コロナウイルスのPCR検査を受けるために保安区域に移動している=共同取材団//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「身を惜しまず任務を遂行し韓国の誇りを高めたことを感謝している」と述べ、アフガニスタンでの切迫した状況のなかでもアフガニスタン人390人の脱出を成功させたチェ・テホ駐アフガニスタン大使と職員らを激励した。

 文大統領は30日午後、カタールのドーハに留まっているチェ大使に電話をかけ、感謝の意を示したと、パク・キョンミ大統領府報道官が伝えた。文大統領は「韓国公館の職員と海外同胞を一人残らず脱出させるために、最後までアフガニスタンに残り説得し見守ったことと、アフガニスタン人協力者とその家族を韓国に連れてくるために韓国公館の職員らがカブールに戻り取りまとめたことを、主な成功の背景だと考えている」と述べた。

 文大統領は「今回志願して働いた大使館の職員全員に感謝しているが、特に、母親が亡くなったにもかかわらず葬儀にも参加できず任務を遂行した方、また、ソウルの家族にカブールに戻ることを知らせなかった方に、特別に感謝の意を伝えてほしい」と付け加えた。

 これについてチェ大使は「公職者として当然しなければならない仕事をしたまでのことで、公館長として在外国民と大使館関係者、韓国政府に協力したアフガン現地人すべてが安全な場所に退避できたことは幸い」だと応じた。続いて「韓国に到着したアフガン人がうまく定着できるか心配」だと懸念を示すと、文大統領は「鎮川(ジンチョン)の住民をはじめとする韓国国民が暖かく迎えてくれて、私も驚いた。鎮川の住民が歓迎の垂れ幕を掲げ、援助物資を支援したり鎮川の商品を購入する運動が広がっている」と答えた。

文在寅大統領が30日、大統領府で行われた首席・補佐官会議で発言している=大統領府提供//ハンギョレ新聞社

 文大統領は、これに先立ち行われた大統領府首席・補佐官会議で、韓国に来たアフガン人のための総合的な支援対策を用意することを明らかにした。文大統領は「私たちは植民地支配や戦争、貧困などの近現代史の曲折のなかで、多くの国民が難民、移民、移住労働者などとして困難を経験した経験を持っている」とし、「我が民族の離散は、今もなお終わっていない。私たちには今、アフガニスタン国民が経験している苦難が他人事ではないという共感がある」と述べた。文大統領も、朝鮮戦争の時に咸鏡南道興南(フンナム)から米軍の輸送船に乗り38度線を越えた避難民の子孫だ。

 文大統領は「慣れない地で新たな人生を始めなければならないアフガン人に、開かれた心と暖かい手を差しのべてくださるよう願う」とし、「特に、子どもが半分を占めるほど多い。政府は子どもたちのための教育環境の用意に特に気をつかうようにする」という意向を伝えた。

 あわせて文大統領は、チェ大使との電話で米国に感謝の意を表明したと、大統領府は伝えた。文大統領は「韓国の公館と在外国民の撤収、現地人の移送など、すべての過程で友好国、特に米国との緊密な協力が重要だった」と述べた。

イ・ワン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/1009771.html韓国語原文入力:2021-08-31 01:08
訳M.S

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