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韓国、合計特殊出生率0.84でまたも最低値更新…世宗市が1位、ソウルが最下位

登録:2021-08-26 06:26 修正:2021-08-27 07:59
OECD加盟国で唯一の「0台」 
「少子化対策予算」は明確な方向性見えず
クリップアートコリア提供//ハンギョレ新聞社

 昨年、韓国の合計特殊出生率(確定値)は0.84で、再び最低値を更新した。二人以上の子どもを産む世帯が大きく減少し、婚姻件数そのものが減っているためだ。毎年出生率の減少が続いているが、政府の少子化予算は依然として明確な方向性が見えないと指摘されている。

 統計庁が25日に発表した「2020年出生統計」(確定値)によると、昨年の出生児数は27万2300人で、1年前より3万300人(10%)減少した。女性1人が生涯産むと予想される子どもの数を意味する合計特殊出生率は0.84で、2019年の0.92と比べて0.08ポイント減少した。2018年に初めて合計特殊出生率0.98で1を下回って以来、減少傾向が続いている。

 世界的にも韓国の合計特殊出生率は最も低いグループに属する。2019年基準で、経済協力開発機構(OECD)加盟国38カ国のうち、韓国が唯一の0台の合計特殊出生率を記録した。出産経験のある女性の第1子の出産年齢も、韓国は32.2歳(2019年基準)で加盟国の中で最も高かった。

 合計特殊出生率の低下の主な原因の一つは「第2子以上を産む家庭」の減少だ。昨年生まれた第1子は15万4000人で1年前より8.6%減少したが、第2子と第3子以上は10%台の減少率を示した。第2子は9万6000人で11.8%減り、第3子以上は2万3000人と12%も減った。

 女性の出産年齢が高くなっていることも背景の一つだ。女性の年齢別出生率は40代前半で小幅増加したことを除き、全年齢層で減少した。特に20代後半の出生率(女性人口1000人当たりの出生児数)は30.6で、1年前より14.2%減り、減少幅が最も大きかった。30代初めの出生率は1年前より8.4%減少した78.9で、全年齢で最も高かったが、ここ5年間、急激な減少傾向を示している。2015年に116.7だった30代前半の出生率は、5年で32%以上減少した。40代前半の出生率は7.1で、1年前より1.6%上昇したことが分かった。

 合計特殊出生率は全国すべての市道で減少したが、1位と最下位の合計特殊出生率には2倍の差があった。合計特殊出生率が0.64で最も低いソウルは、合計特殊出生率1.28で1位を占めた世宗市(セジョンシ)の約半分だった。全国17の市道のうち、合計特殊出生率が1を超える地域は世宗(1.28人)、全羅南道(1.15人)、江原道(1.04人)、忠清南道(1.03人)、済州道(1.02人)、慶尚北道(1.00人)の6地域だけだった。

 「男児選好の思想」は徐々に姿を消している。女児100人当たりの男児数で計算する出生性比は104.8で、1年前より0.7減少した。統計庁は103~107を正常範囲と見ている。特定の性別に対する選好なしに自然に子どもを出産した時に現れる性比を言う。特に、長いあいだ性比の不均衡が激しかった第3子以上の出生性比は106.6だった。第1子(104.8)と第2子(104.7)に比べるとやや高いが、依然として正常水準に属している。第3子以上の出生性別比は、2000年143.6→2005年128.3→2010年110.9で次第に減り、2014年(106.7)ごろから正常範囲に入った。

 毎年出生率が最低値を更新しているが、韓国政府の少子化予算は依然として「どんぶり勘定」だ。今年の政府の少子化対策と予算を見ると、少子化からかけ離れた事業も多数含まれている。「青年就業」を支援するという名目で一般産業技術人材や地域文化企画者、廃業予定の小商工人などに対する支援事業が少子化対策に分類される一方、プロスポーツ団体に対する支援やゲーム・マンガ産業育成事業も含まれている。今年の少子化予算は42兆9千億ウォン(約4兆400億円)で、昨年より7兆2千億ウォン(約6800億円)も増加したことが分かったが、少子化と関係のない事業によって水増しされたわけだ。

 国会予算政策処は今月23日に発刊した報告書「少子化対応事業分析・評価」で、「全般的な社会環境を改善することは少子化現象に長期的には肯定的な影響を及ぼすことができる」としながらも、「政府が『少子化対策』として計画し推進する政策が、少子化現象に及ぼす影響が過度に間接的であれば、政策に対する社会的支持を獲得することはできない」と指摘した。

イ・ジヘ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1009044.html韓国語原文入力: 2021-08-26 02:46
訳H.J

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