野党第一党「国民の力」のイ・ジュンソク代表のリーダーシップの危機が日ごと膨らんでいる。ユン・ソクヨル前検察総長との対立の溝が深まり、党の内紛が拡散する中、国民の党のアン・チョルス代表が統合決裂を宣言し、野党大統合の構想にも赤信号が灯った。就任2カ月めで内外の変数によって四面楚歌に追い込まれた状況だ。
6月11日の国民の力全党大会で突風を巻き起こしたイ代表は、波に乗って「8月末の大統領選候補党内予備選挙」にエンジンをかけたが、その過程で大統領選候補たちと不和が生じ、リーダーシップを批判される状況にまで至った。キム・ビョンジュン元自由韓国党非常対策委員長は16日、フェイスブックで「イ・ジュンソク指導部はすでに傷がついた」とし「革新を先送りにしたことで浅い政治的計算をしているという印象を与え、特定候補を支持するまたは反対するという誤解を招いたことで公正性にも傷がついた」と批判した。また「党内選挙はむしろ有力候補の間での合意を尊重するシステムを構築し、候補自らが中心を成すようにするのが正しい」とし、「自分でまともに立つこともできない党が、それぞれ個人の競争力を土台に活躍している候補を率いるなどと言ってはならない」と強調した。イ代表と同じユ・スンミン派に分類されるハ・テギョン議員もこの日、CBSでのインタビューで「イ代表は何かを実行する前にユン候補側と事前調整をして整えられた形で党の方向性を持っていかねばならない。そうしないと本当に倒れる可能性もある。民意は非常によくない」と指摘した。
党内選挙準備委員会が準備したビジョン発表会への参加問題をめぐり、イ代表と真っ向から対立しているユン前総長側も、イ代表批判に加勢した。ユン候補陣営の総括室長のチャン・ジェウォン議員はこの日、MBCラジオのインタビューで、「討論会問題が最高委員内部でも決定されておらず、準備委と党代表の間で日程調整もできていない。党と陣営の対立というより、党内の対立の方が大きいと思われる」と述べた。問題の核心が「イ・ジュンソク対ユン・ソクヨルの対立」ではなく「イ・ジュンソクのリーダーシップによる党の内紛」だという主張だ。チャン・イェチャン青年特別補佐官も、この日フェイスブックに「アン・チョルスとキム・ビョンジュン、利害打算に満ちた政界の理想主義者たち。今日、この二人の言葉が私に大きく響いている」と書いた。イ・ジュンソク代表のリーダーシップを批判したキム・ビョンジュン元委員長と、交渉の過程での「傷」に言及して統合決裂を宣言したアン・チョルス代表に同意を示したことで、イ代表を遠まわしに批判したのだ。
ユン前総長との対立に続き、国民の党との統合も決裂したことで、イ代表のリーダーシップが最大の危機を迎えたという分析が出ている。チン・ジュングォン元東洋大教授はこの日、フェイスブックに「(国民の党との)統合を誘うやり方が『イエスかノーか』、『どうせお前は行くところがないだろうから屈してこっちに来い』という脅しに近かったので、決裂は予見された」とし、「さらに、ユン・ソクヨルがその党に入ってどんな扱いを受けるかもすでに見えていた」と指摘した。国民の力のある議員も、本紙の取材に対し「統合決裂でイ代表が最大の傷を負うことになる。ユン前総長との対立で窮地に追い込まれている状況で、野党の大統領選の不確実性まで膨らみ、『イ・ジュンソク・リスク』が現実に近づいている」と述べた。
イ代表が休暇を終えて復帰する17日の最高委で、大統領選候補のビジョン発表会問題などを円満に処理できなければ、リーダーシップ問題がさらに大きくなるのは避けられない状況だ。党内選挙準備委が18日に開く予定の党内選候補討論会は、キム・ギヒョン院内代表の仲裁でビジョン発表会に修正され、イ代表はこれを予定通り実施する計画だ。イ代表はこの日、本紙との電話インタビューで「私は(討論会の)発表会への転換を念頭に置いている」とし「明日の最高委でソ・ビョンス準備委員長とも一緒に論議しなければならない」と述べた。