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大統領選候補、世論調査の混戦…調査方法によって異なる結果

登録:2021-07-16 10:14 修正:2021-07-16 10:43
世論調査方法によって支持率は異なるが、推移は同じ 
「保守的な政治高関与層は 
政党の積極的支持者、ARSへの参加も高い」 
最近の世論調査の推移を見ると、 
ユン前総長は低迷、イ元首相上昇の傾向があらわに
左から、イ・ジェミョン京畿道知事、ユン・ソクヨル前検察総長、イ・ナギョン元首相//ハンギョレ新聞社

 第20代大統領選挙が8カ月後に迫っている中、大統領選候補の仮想の二者対決で与野党間の勝利が食い違う世論調査が出ている。候補ごとに有利な調査結果を取り上げているが、世論調査の専門家らは調査方法によって特定候補に対する支持度がより反映される場合があるとし、支持率の推移に注目しなければならないと助言するる。

 エムブレインパブリック、Kスタットリサーチ、コリアリサーチ、韓国リサーチが今月5~7日、全国の成人1005人を対象に行った全国指標調査(信頼水準95%、標本誤差±3.1ポイント)では、イ・ジェミョン京畿道知事が43%を記録し、ユン・ソクヨル前検察総長(33%)を10ポイント差でリードした。共に民主党前代表を務めたイ・ナギョン元首相とユン前総長の二者対決では、36%ずつで同率だった。グローバルリサーチが先月30日から今月2日まで1000人を対象に調査した結果(信頼水準95%、標本誤差±3.1ポイント)でも、イ知事は44.7%を得て、36.7%のユン前総長をリードした。二つの世論調査は、いずれも調査員が電話で大統領選候補の支持度を直接問い合わせた方式だった。

 一方、自動回答方式(ARS)の調査では、ユン前総長が強気を見せている。PNRリサーチが「マネートゥデイ」未来韓国研究所の依頼で今月3日に1001人を対象に調査した二者対決(信頼度95%、標本誤差±3.1ポイント)では、ユン前総長は49.8%を記録し、イ知事(41.8%)を誤差範囲外で引き離した。リアルメーターが「オーマイニュース」の依頼で12日から13日にかけて全国の成人2036人を対象に調査した結果(信頼水準95%、標本誤差±2.2ポイント)では、ユン前総長は39.4%で、38.6%を記録したイ知事に対し僅差で優勢を示した。

 今年3月の辞任後、大統領選候補としてのユン前総長の支持率は、機械音で調査を進める「100%自動回答」方式の世論調査で際立って高いという傾向が続いている。韓国ギャラップ研究委員のチャン・ドクヒョン氏は「機械音で行われる自動回答方式の世論調査は、参加しようとする強い意志のある人が最後まで回答する。『政治高関与層』の割合が高くなるということ」だとし「自営業者、50~60代など政治高関与層の傾向は相対的に保守的で、ユン前総長と野党『国民の力』の支持率が常に高く出る」と説明した。

 政治の高関与層が積極的に参加する自動回答方式の調査では、イ・ナギョン元首相の支持率にも弾みがつくようだ。韓国社会世論調査研究所が「交通放送(TBS)」の依頼で9~10日に1014人を対象に行った「次期大統領選挙候補適合度」調査(信頼水準95%、標本誤差±3.1ポイント)で、ユン前総長は29.9%、イ・ジェミョン知事は26.9%、イ・ナギョン元首相は18.1%を記録した。ウィンジコリア・コンサルティングが「アジア経済」の依頼で10~11日に実施した調査(信頼水準95%、標本誤差±3.1ポイント)でも、イ元首相は16.4%で、イ知事(25.8%)に一桁台の差で迫り、ユン前総長との二者対決では43.7%対41.2%で初めてリードした。一方、調査員が直接電話をかけて行う全国指標調査(12~14日、信頼水準95%、標本誤差±3.1ポイント)で、イ元首相は前週より4ポイント上がった14%を記録したが、イ知事(26%)とは二桁台の差がついた。

 オピニオンライブのセンター長を務めるユン・ヒウン氏は「自動回答電話の特性上、党の積極的な支持者が回答するという常識的な推定が可能だ」とし、「(高関心層がより多く反映される)現象が両方から現われる」と分析した。民主党内部で見ると、親文(文在寅派)候補であるイ・ナギョン元首相に政治高関与層の支持がさらに集中するという分析だ。政治高関与層は投票の意向はもちろん、結集力も強いため、彼らの票の関心先に注目しなければならないという意見もある。しかし、大統領選挙のように投票率が高い選挙では、世論が幅広く反映されてこそ全体的な投票者の意思を正確に把握することができると専門家たちは説明する。結局、世論調査は同じ質問と調査方法による支持率の推移を見なければならない。ユン・ヒウン氏は「世論調査を比較するときは同じ調査方法、同じ質問で調査した結果を比較しなければならない」とし「調査方法と質問が変われば刺激が変わり、反応も変わることになる」と指摘した。

 最近の世論調査の流れは、ユン前総長の下落傾向とイ元首相の上昇傾向が確認されている。12~13日、リアルメーター・オーマイニュースの多者対決調査で、ユン前総長は2週間前より4.5ポイント落ちた27.8%を記録し、3.6ポイント上がったイ知事(26.4%)にぎりぎりまで追いつかれた。イ元首相は7.2ポイント急上昇し、15.6%となった。世論調査の詳しい内容は中央選挙世論調査審議委員会のホームページを参照。

ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/1003764.html韓国語原文入力:2021-07-16 09:03
訳C.M

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