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韓国、首都圏で最多の感染…「数日様子を見て」防疫措置を最高レベルに引き上げ検討

登録:2021-07-08 08:31 修正:2021-07-11 19:07
首都圏990人、ソウル577人で、一日の新規感染者数の最多記録 
「首都圏、レベル4まで進む可能性も」…まずはレベル2を1週間延長 
バスなど公共交通機関が夜10時から運行減らし 
宿泊施設の定員超過予約・入室も禁止
新型コロナの新規感染者数が1200人を超えた7日午前、ソウル蘆原区の蘆原保健所選別検査所で、検査のために長蛇の列に並んでいる市民に医療陣が番号札を配りながら案内している/聯合ニュース

 韓国の首都圏で新型コロナ新規感染者が過去最大規模で発生し、政府が首都圏のレベル2の社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)をさらに1週間延長することにした。政府は現在の状況を「第4波の初期段階」と捉え、延長期間中であっても感染状況が悪化した場合は新しい距離措置改編案の最高段階であるレベル4を適用することも検討する方針だ。レベル4は「大流行」の状況で、午後6時以降は3人以上の会合が禁止されるなど、最も厳しい防疫措置が取られる。

 中央災害安全対策本部(中対本)は7日、「強化された防疫対応のため、今月8日から14日までの1週間、首都圏の距離措置の改編を猶予し、従来のレベル2の措置を延長する」と発表した。キム・ブギョム首相は同日午前の中対本会議で、「政府はさらに一週間、従来の距離措置の体系を維持しつつ、さらなる防疫強化措置を通じて拡散防止に最善を尽くす」とし、「もし2~3日ほど見守り、それでもこの状況が沈静化しなければ、新しい距離措置改編案における最も強力な段階の措置を取らざるを得ない可能性もある」と述べた。

 キム首相が言及した新しい距離措置改編案の最も深刻な段階はレベル4だ。距離措置改編案におけるレベル4は「大流行・外出禁止」段階で、週間平均で首都圏で1000人、ソウルで389人、京畿道で537人、仁川市(インチョンシ)で118人以上の新規感染者が3日以上発生した場合を目安としている。レベル4では私的な会合の場合、午後6時前までは4人、それ以降は2人まで認められる。行事と1人デモ以外の集会は禁止される。結婚式と葬式も親族49人までのみ参列が可能。食堂とカフェは夜10時以降の運営が制限され、クラブやナイトクラブなどの遊興施設は集合禁止措置が取られる。

 登校の場合、レベル4が適用されれば、直ちに遠隔授業に切り替わる。ソウル市教育庁は同日、教育監が緊急室・局・課長非常対策会議を開き、距離措置改編案がレベル3に上方修正されれば遠隔授業への転換を検討し、レベル4が適用されれば直ちに全面遠隔授業に切り替えるという方針を明らかにした。

大田・釜山、8日から距離措置改編案レベル2を適用

 中対本は現在、首都圏の週間平均患者数は7日基準で636.3人で、距離措置改編案のレベル3の基準を満たしている状況だと説明した。しかし、距離措置改編案のレベル3を適用した場合、夜10時まで遊興施設の運営を再開でき、室内体育施設の運営時間制限が解除されるなど、大衆利用施設の防疫措置が緩和される問題があり、現行の距離措置レベル2を延長する決定を下したと明らかにした。一部の防疫措置の緩和を「全般的な防疫緩和」と捉える可能性があるからだ。

 同日0時基準の新型コロナ新規感染者数は1212人。過去最大の感染者が発生した昨年12月25日の1240人に近い数値だ。特に、首都圏が990人、ソウルが577人で、新型コロナ流行以降で最も多い感染者が発生した。ここ1週間(1~7日)の首都圏の週間平均患者数は636.3人で、前週と比べ171.4人(36.9%)増加した。イ・ギイル中対本第1統制官はブリーフィングで、感染者数が急増した理由について「首都圏で若者が主に利用する密集地域で発生し、不特定多数が感染した。ソウル江南区(カンナムグ)や中区(チュング)、瑞草区(ソチョグ)で多く発生したのも、居酒屋やクラブ利用者、従事者たちがさまざまな施設を利用し、感染を広げたのが原因」だとし「今日のような感染拡大が続けば、近いうちに新しい距離措置改編案のレベル4の基準を満たすものと予想される」と説明した。

 政府は、首都圏の流行が非首都圏に広がる可能性が高いとみている。実際、首都圏とは違って1日から新しい距離措置改編案を施行した大田(テジョン)と釜山(プサン)は、8日から21日までの2週間、距離措置の段階をレベル2に強化することにした。両自治体ではここ1週間で感染者数が増加傾向を見せ、一日平均が大田(テジョン)=25.1人(第1段階=15人未満)、釜山(プサン)=28.9人(34人未満)と、レベル1の基準を超えたか近づいている状況だ。特に釜山は、距離措置のレベルを引き上げたことについて、首都圏の距離措置強化で避暑客が釜山に集まる「バルーン効果」を理由の一つに挙げた。

20~30代を対象に診断検査を強化

 これに対して政府は「首都圏防疫強化追加措置」を施行することにした。まず、多くの感染者が発生している20~30代を対象に検査を強化する。ソウル市は、保健所当たりの臨時選別検査所を1カ所ずつ追加し、現在の26カ所から51カ所に増やすことにした。新しく設けられた検査所は、会社の密集する地域で食事時間に食堂街周辺に移動検査所を設置したり、高危険施設従事者や外国人が勤務する小規模事業所は「訪問検査所」を運営し、若者層が主に利用する商業地区周辺は週末午後から夜間時間帯に運営するという戦略だ。臨時選別検査所を運営する地域も、20~30代の若者が主に利用するソウル江南スクエア広場、大峙洞(デチドン)ハンティ近隣公園、弘益文化公園、可楽119案内センター前、清渓広場、九老デジタル団地、蘆原区(ノウウォング)・陽川区(ヤンチョング)の学習塾密集地域で運営する。イ・ギイル第1統制官は「首都圏で無症状感染が多い状況で、ソウル江南・弘大地域など多くの人が接触する地域を訪問した20代は、直ちに検査を受け、家で休んでほしい」と述べた。

 また、20~30代が多く出入りする施設と高危険事業所を対象に、一斉検査と周期的に先制検査を実施することにした。遊興施設従事者と集団感染が発生した業種の営業主・従事者を対象に、ソウル市では弘大入口駅(3~7日)、江南駅(5~31日)、ハンティ近隣公園(5~17日)などで一斉検査を行う。 京畿道では、カラオケボックスの店主や従業員に対しては週に1回の検査を勧告し(1~14日)、塾関係者に対する先制検査を実施(5~26日)する。仁川市も1~7日、カラオケボックス店主や従業員、高齢者療養施設関係者を対象に検査を行う。また、1世帯1人以上の検査を受ける運動、有症者に対する検査行政命令も施行することにした。

 最近拡散しているデルタ株が従来のコロナウイルスより2.4倍も感染力が高い点を踏まえ、疫学調査も速度を上げることにした。地方自治体の疫学調査に必要な人材の要請を、疾病管理庁や国防部、警察庁など汎政府レベルで支援することにした。

夜10時以降はバスの運行減らし、防疫違反は「一発アウト」

 防疫守則の履行を強化する措置も取られる。国土交通部は、バスなどの公共交通機関について、夜10時以降は運行を減らすよう勧告する。同時に8日からは防疫措置と守則に違反した場合、「一発アウト」の不寛容原則に従って処分できる法的根拠が設けられた。これを受け、防疫指針に1回違反した場合は、警告処分に止まる現在の方針から、直ちに運営中止10日間の処分を下せる。雇用労働部は、事業所内の集団行事や飲み会を自粛するよう、強く勧告する。夜10時以降、宿泊施設で人数を超過した飲酒や会合が行われるケースが報告されたことを受け、文化体育観光部や自治体は宿泊施設の定員超過の予約や入室を禁止することにした。

 政府は、ワクチン接種完了者を私的な会合の人数制限から除外するなど、現在施行中の予防接種インセンティブはいったん維持するものの、状況がさらに深刻化した場合には見直しを進めることにした。

 一方、政府は民主労総が3日、ソウル鍾路(チョンノ)3街一帯で約8000人の組合員が参加した集会を開いたことについて、防疫当局による疫学調査が進められており、今回の流行への影響を測るのは早いと明らかにした。中央事故収拾本部のソン・ヨンレ社会戦略班長は「まだ疾病管理庁で地方自治体と疫学調査などで状況を把握しているところなので、民主労総の集会が現在の流行にどのような影響を及ぼしたのか客観的に言うことはできない状況だ」と述べた。

 政府がワクチン接種者を対象にした距離措置の緩和などを実施し、防疫緩和メッセージを発信したのが、感染者の急増に影響を及ぼしたのではないかという指摘について、ソン・ヨンレ班長は「高齢者の1回目の予防接種が完了する時期を見て、もう少し日常回復の方向に重点を置き、接種者のインセンティブを拡大し、予防接種を加速化させる仕組みを考案した」とし、「こうした過程で緊張感を緩めすぎないよう注意を求めたが、現在の流行状況を見る限り、このようなメッセージの伝達をより効果的に行うべきだったのではないかと思う」と答えた。

キム・ジフン、キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1002542.html韓国語原文入力:2021-07-07 15:52
訳H.J

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