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巨大保守政党で噴出した世代交代に対する熱望が「30代の代表」を生んだ

登録:2021-06-12 05:23 修正:2021-06-12 09:56
国民の力のイ・ジュンソク代表=国会写真記者団//ハンギョレ新聞社

 巨大保守政党で憲政史上最年少の36歳の党代表が選出された。安定を追求してきた保守的な支持層が国会議員の経験もない30代の青年政治家に「変化の風」を投影したということは、韓国政治史において大きな意味を持つ。変化と刷新に対する熱望が、まず保守政党で噴出したというのも異例だ。

 イ・ジュンソク代表は11日午前、ソウル汝矣島(ヨイド)の党本部で行われた「国民の力」の党大会で43.8%の得票を得て当選した。70%が反映される党員投票では、ライバルのナ・ギョンウォン候補に5200票あまり及ばなかったが、国民世論調査(30%反映)で58.76%の圧倒的な支持を得て、最終合算で6.68ポイントの差をつけ、ナ候補を抑えて党代表の地位をつかんだ。

 イ代表は選挙での勝利後、繰り返し「変化」を強調した。イ代表は受諾演説で「変化を通じて我々は変わり、勝利するだろう」とし「慣性と固定観念を打ち破ってほしい。そうすれば世の中は変わる」と訴えた。当選後に開かれた記者懇談会でも「変化に対する国民の熱望が強く反映されたもの」と勝因を分析した。

 「イ・ジュンソク旋風」は選挙中盤から強く吹き荒れた。既存の政界と既得権を裁こうとする党員と市民の民意は、歯切れのよい話法を用いて党内外で革新を叫んだイ代表に急激に傾いた。彼の当選については、1969年に新民党の大統領候補を選ぶ党内予備選挙に出馬した金泳三(キム・ヨンサム)元大統領の「40代旗手論」の21世紀バージョンだという解釈まで出ている。民主化運動に身を投じた緊急措置・86世代または50~60代の官僚・専門家グループが掌握する韓国政界に亀裂を生じさせた「世代交代」の結果でもある。

 それと共に、4月7日の再・補選で確認された「政権交代」に対する熱望は、実体がいっそう明らかとなった。保守支持層が選挙での勝利のために今後の大統領選予備選挙でも「戦略的に思考」する可能性が高くなったからだ。党内に特別な地域的基盤や組織動員力のなかったイ代表に、少なからぬ党内の票(37.41%、得票数5万5820票)が集まったことをめぐっては、伝統的な支持層ももはや民意に従って「戦略的判断」を始めたという分析が出ている。保守の本山である大邱(テグ)での3日の合同演説会でイ代表は、「朴槿恵(パク・クネ)弾劾は正当だった」と述べて正面突破を試みたが、彼に対する支持は全く衰えなかった。ハンギルリサーチのホン・ヒョンシク所長はこの日の本紙の電話取材に対し、「慶尚道地域中心、高年齢、保守的党員たちも、結局は変化を求める世論を追って戦略的選択をすることになったもの」とし「選挙終盤のネガティブ戦も通じない状況」と述べた。

 保守政党としては、2016年の国政壟断と弾劾事態から5年あまりを経て、ようやく党を刷新して再建する土台が作られた。イ代表の当選が保守政党の体質改善へとつながるかどうかに関心が高まっている理由がここにある。政治コンサルティング「ミン」のパク・ソンミン代表は「586世代(現在50代で、80年代の民主化運動に参加した世代)が全面的に登場した後の、最も意味のある世代変化」とし「党がMZ(1980~2000年代生まれ)世代の求める新しい価値で武装できるか、自由と公正というイ代表のキーワードがどう具体化するかは見守らなければならない。それでも、イ代表個人の力量とは別に、新しい世代の登場は逆らえない現象となった」と指摘した。

キム・ミナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/999037.html韓国語原文入力:2021-06-11 17:11
訳D.K

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