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8年間で女性軍人3人を失ったが…性暴力通報率32%に過ぎず

登録:2021-06-04 05:58 修正:2021-06-04 17:53
通報しなかった被害者の44%「何の措置も取られないと思ったから」 
性暴行共対委「被害者保護などのマニュアル、実行されていない」 
ソ・ウク国防部長官が今月2日午後、京畿道城南市の国軍首都病院の斎場の霊安室で空軍のL中佐を追悼している//ハンギョレ新聞社

 2013年、2017年、そして2021年まで軍上官による性暴力被害で3人の女性軍人がこの世を去ったが、何も変わらなかった。

 男性の上官から性暴力の被害を受けた性的マイノリティ女性将校事件に対応する共同対策委員会は3日、有名無実の国防部の性暴力根絶対策を批判し、軍内の性暴力被害者が保護を受けられるシステムの作動を求めた。

 同日、「海軍上官による性的マイノリティ女性への性暴力事件共同対策委員会」(以下、共対委)は声明を発表し、「(空軍副士官性暴力事件の)被害者が直ちに通報したにもかかわらず、軍内の性暴力被害者保護システムが全く機能していない現実を糾弾する」と明らかにした。実際、「部隊管理訓令」は、性暴力被害者の保護と秘密保持の義務▽加害者と被害者の優先分離▽被害者の通報など権利行使を妨害する行為の禁止などを明示している。しかし、今回の事件でもマニュアルはまともに作動しなかった。

 性暴力事件が報道される度に国防部が新たな対策を発表してきたが、被害は続いている。2013年、陸軍で直属の上官からセクハラを受けた女性大尉が自ら命を絶っており、2017年には海軍将校から性暴力の被害を受けた女性兵士がこの世を去った。同委員会は「いつまでこうした現実が繰り返されなければならないのか。国防部は今回の(空軍被害者死亡)事件を徹底的に調査し、真相を究明するとともに、従来の性暴力被害者保護制度を全面的に見直すべきだ」と強調した。

 2019年国防部の性暴力実態調査の結果、性暴力の被害経験があることを認知し、通報した割合は32.7%にとどまった。報告しなかった被害者の44%は「何の措置も取られないと思った」と答えた。共対委は「被害者の懸念が今回の事件でも実際に現れた」とし「軍隊内の性暴力が隠蔽され、まともに解決されない状況が続く限り、被害者は自分の経験を知らせ、解決を求めることができない」と声を高めた。

 共対委は国防部の「性暴力根絶総合対策」の全面見直し▽女性副士官(下士官)の地位の正常化▽外部支援が可能な人権侵害相談ホットラインの開設▽男女平等担当機構の活動保障および予算と人材の確保などを代案として要求した。

 共対委は2017年11月、性的マイノリティ女性軍人に性的暴行を加えた直属の上官と艦長2人についても、最高裁(大法院)の判決を求めている。被害者は事件当時、海軍上官に性的暴行を受けた事実を直属上官に報告したが、直ちに保護および分離措置が取られなかった。直属の上官はかえって追加の暴力を加えた容疑を受けて裁判にかけられた。彼らは一審で懲役10年(直属上官)、8年(艦長)の判決を受けたが、2018年11月の二審で無罪を言い渡され、これまで何の懲戒も受けていない。

チャン・イェジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/997941.html韓国語原文入力:2021-06-04 02:08
訳H.J

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