セウォル号惨事犠牲者遺族とボランティアに関する虚偽報道を行ったインターネットメディアに損害賠償を命じる判決が下された。
本紙の29日の取材と民主社会のための弁護士会(民弁)の論評を総合すると、ソウル中央地裁民事25部(イ・グァニョン裁判長)は23日、セウォル号遺族がインターネットメディアNと発行人を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で、原告1人につき1500万ウォン(約147万円)と利子を支払うよう被告に命じる判決を言い渡した。
Nは2018年5月、目撃者の主張を根拠として、光化門広場のセウォル号テントで遺族とボランティアが不適切な行為を行ったと報道した。しかし裁判所は、こうした内容は事実とは異なり、記事に引用された「目撃者」はNとのインタビューを行ったことすらないと判断した。N社は裁判で「国民の知る権利のためのものであり、違法ではない」との趣旨で抗弁したが、裁判所は「記事の中心的な内容は虚偽であり、これについて十分な取材を行ったとは考えにくく、上記の報道によって原告たちが受けた被害の程度に比べれば、記事内容そのものの切迫性や公益性を認めることも難しい」として、被告の主張を認めなかった。裁判所は、N社のウェブサイトに訂正報道を掲示することも命じた。
民弁は「今回の判決が出るまで、この事件の原告はもちろん、セウォル号惨事の遺族、ボランティアは上記の記事を根拠とした悪意ある誹謗や侮辱にさらされなければならなかった」とし、「今回の判決は、『記事』という形式によって刺激的な虚偽を流布し、責任を回避しようとする行為に対して、厳しく責任を問うたという点で大きな意義がある」と論評した。また民弁は、ほかのユーチューバーやブロガーも捜査や裁判を受けていると明かし、「責任を最後まで問う」と述べた。