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水辺に鉄パイプを刺しただけでも ‘4大河川補償費’

原文入力:2010-01-04午後02:15:41
[現場] 慶南,密陽,下南邑へ行ってみると
国有地 耕作権者, 鉄パイプ業者と分かち食い
耕作権者 60人余りなのに補償を受ける人は400人

チェ・サンウォン記者

慶南,密陽市,下南邑,鳴禮里一帯の洛東江辺の様子。 4大河川事業にともなう補償費を受け取るために昨年からあちこちにビニールハウスの骨組み用鉄パイプがびっしりと刺されている。

洛東江辺の村である慶南,密陽市,下南邑,鳴禮里。 3日洛東江堤防を越え川に近付くと広い川辺のあちこちにビニールハウスの骨組み用鉄パイプが列をなして刺さっていた。だが、大部分の鉄パイプは素手でも折ることができる程に古く弱くてビニールハウスの骨組みとしてはとうてい使用できないものだった。またビニールがかぶせられたものは一ヶ所もなく、地面には作物ではなく雑草が生い茂っていた。それでも村の人々は「あれが皆お金の塊りだ」と話していた。
この一帯は‘4大河川再生事業’ 区間に含まれ国有地の洛東江辺で農作業をしていた人々は占用許可を受けていようが受けていまいが皆が補償を受け取れる。特に去る6月の基本調査以前に設置されていたビニールハウスは農作業ができなくなったことに対し営農補償の他に支障物補償まで受け取ることができる。そのため昨年まではこの一帯の川辺にビニールハウスは殆どなかったが、今年の春からはビニールハウス骨組み用鉄パイプがびっしりと立った。もちろん大部分は補償金を受け取るためだ。

はなはだしきは耕作権者と補償金を山分けする中古鉄パイプ供給業者まで登場したと村の人々は話した。名前を明らかにすることを敬遠したある村住民は「私が耕作権を持った空き地に鉄パイプを刺せば政府補償金の30%を与えると鉄パイプ業者が提案をして口車に乗ってそうしろと言った」として「何日か前に1坪当たり1万5000ウォンずつで計算して補償金を与えるという通知書を受け取った」と話した。

はなはだしきは占用許可を受けておらず耕作権がない人でも2年分の営農補償費は受け取れないがビニールハウスなど支障物に対しては補償を受けることができる。そのため密陽郡全体に洛東江辺の耕作権を持った人は60余人だけだが、補償を受け取る人は400人に迫る。

“鉄串を刺しただけでもお金をくれると知っていれば私も迷わず刺したはずだが、耳の明るい人だけが春に鉄パイプを刺し金を受け取り、私たちのような老人は遠い山を見物だけしていて、どうなっているんだ。”洛東江堤防から鉄パイプ撤去作業を眺めていた村の老人たちは「補償金の話をとても遅く聞いて補償金を受け取れなかった」と残念がった。

補償業務を引き受けた韓国土地住宅公社の担当者は「来月21日までに1次補償契約を完了する計画」として「鑑定士たちが現場調査をしたが色々なものが入り乱れており鉄パイプを以前からあったものと新しく設置したものとに区分するのは容易なことでない」と話した。

政府は去る6月に4大河川周辺水辺とビニールハウスに対する補償金として1兆5000億ウォンを投じると発表した。しかし最近の調査結果を見れば、補償費は工区別に政府計画より最大19倍まで多くかかることが明らかになった。例えば政府は4大河川事業区域に含まれ撤去されるビニールハウスが計1万8100余棟と発表したが、全体170ヶ工区の中で慶南,密陽市1ヶ所だけで補償対象ビニールハウスは3000棟に達する。

政府が補償費をあまりに少なく捉えたのか、あるいは周辺住民たちがとても多くの鉄パイプを刺したのか確認することは難しい。確実なことは国民が出した税金から数兆ウォンがでたらめビニールハウス補償金として失われていくという事実だ。

密陽(ミリャン)/文・写真 チェ・サンウォン記者 csw@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/396929.html 訳J.S