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2年前の悪夢 覚めやらぬ…西海岸 再び油流出

原文入力:2010-01-03午後11:21:47
大山港 現代オイルバンク工場 周辺漁民ら被害
隠そうとして防除作業遅れ 責任所在 明らかにならず

オ・ユンジュ記者

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忠南,西海岸で再び油流出事故が起きた。今回の事故では適時に防除作業がなされなかったうえ、責任所在も明らかにならず、いわれのない被害を漁民だけが受けている。

泰安海洋警察署によれば昨年12月21日12時に忠南,瑞山市,大山邑,大山港現代オイルバンク工場(本社)埠頭近海に800~3000リットルほどのC重油が流出した。警察は釜山S海運所属4026t級タンカーが現代オイルバンク工場に油を納める際に事故が起きたものと見ている。

この事故によりここから2~3km離れた大蘭芝島・小蘭芝島・大青島など島の漁場が重油に汚染された。島の住民200人余りは13日間操業をあきらめたまま油除去作業にかかりきりになっているが、寒天にきちんとした装備もなく、防除に困難をきたしている。この島々は唐津郡石門半島と瑞山市,大山半島の間にあり、住民たちは冬季にはカキ・帆立貝・アワビ・タコなどを多く捕っている。

泰安海洋警察署は事故翌日の22日、釜山S海運所属チョ・某(65)氏を油流出疑惑で逮捕し調査している。警察はチョ氏を油800リットル内外を流出させた後、釜山へ逃げた疑惑で不拘束立件した。しかし流れ出た重油の正確な量などはいまだ明らかになっていない。

住民たちは油の流出量が警察が明らかにした800リットルよりはるかに多いと主張している。チェ・ジャンニャン(40)蘭芝島油類被害住民対策委員長は「海だけでなく海岸まで押し寄せた油帯から見る時、流出量は警察推算の4~5倍にあたる3000~4000リットルに達するものと見られる」とし「現代オイルバンクとS海運はともに責任を避けようと隠蔽し被害をさらに拡大した」と主張した。

去る28日と31日、住民対策委と現代,S海運側が2度会い、対策を議論したが接点を見出せずにいる。S海運のクォン・某理事は「警察と保険会社の調査が終えられた後に補償を検討する方針」と話した。現代オイルバンク側のイム・某総務部長も「夜間に事故が起き適時に措置をとることができず被害が大きくなったようだ」とし「補償問題はひとまず調査結果を見守らなければならない」と明らかにした。

防除作業には漁民はもちろん周辺の民宿・食堂村の住民たちまでが仕事を止め取り組んだが力が及ばない。去る31日には現代オイルバンク側から職員170人余りが出てきて防除を助けることもした。チェ委員長は「唐津郡庁まで日没・日の出行事の時に観光客が減ることを憂慮し隠したために住民たちだけが死ぬほどの苦労をしている」とし「事故を起こした会社は生計費用だけでも先に出さなければならない」と主張した。

オ・ユンジュ記者sting@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/396850.html 訳J.S