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[ニュース分析]文大統領、謝罪で怒りを鎮め「積弊清算」で攻勢へ転換?

登録:2021-03-17 06:57 修正:2021-03-17 07:52
文在寅大統領が16日、大統領府での国務会議で、不動産積幣清算について発言している=大統領府提供//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は16日、国務会議を開き、韓国土地住宅公社(LH)投機について初めて謝罪した。これには、「不動産積幣清算」の意志を固めるだけでは、悪化した世論を突破することは難しいとの認識が作用したものとみられる。未公開情報を利用した不動産投機が過去の政権時代から行われてきた構造的弊害であることは確かだが、「積弊清算」フレームのみを強調すれば、ややもすると「責任回避」との非難を浴びる恐れがあるからだ。

 文大統領はこの日の国務会議での公開発言で、「国民のみなさまに大変ご心配をおかけし、申し訳ない気持ちだ。特に、誠実に暮らしている国民には大きな虚脱感と失望を与えた」とし「韓国社会の腐敗構造を厳しく認識し、いっそう姿勢を正し、重い責任感で臨む」と述べた。「非常にご心配をかけた」「大きな虚脱感と失望」という表現からもうかがえるように、かなり踏み込んだ謝罪だ。それだけ世論が深刻だということを認識しているということだ。

 不動産をめぐる腐敗構造が過去の政権から続いている「構造的病弊」だということを強調するだけでなく、自らの任期中にも問題を正せなかったことを認めた部分も目立つ。ただし、腐敗の是正が行われなかったことは「意志不足」のせいではなかったということも繰り返し強調している。「権力積弊の清算を皮切りに、パワハラの根絶や不公正な慣行の改善、採用不正など、生活における積弊を一掃するために絶えず努力してきた」とし「いまも解決すべき積年の課題は多い。特に、最近のLH不動産投機疑惑事件で、道は依然として遠いという思いがする」と述べたことが代表的だ。

 大々的な「腐敗清算の強化」も予告した。このことは「公職者の不動産腐敗を防ぐことから始め、社会全体にまん延している不動産腐敗の鎖を必ず断ち切る」という部分に表れている。怒れる世論は「謝罪」で鎮め、攻勢へと転換するとの趣旨だ。政権5年目への突入を前にレームダックを警戒せざるを得ない文大統領としては、致し方のない選択でもある。

 大統領府はこの日、文大統領の国務会議でのメッセージについて「LH投機疑惑に公憤を覚える国民の虚脱感に、真剣に応えたもの」とし「謝罪だけでは終わらないだろう」と述べた。しかし、大統領府の期待通り、文大統領の謝罪と「不動産積弊清算」の意志表明が、悪化する民意を引き戻せるかは未知数だ。野党「国民の力」のペ・ジュニョン報道担当は「野党の要求や国民の2/3の世論に背を押される前に謝罪した方がよかったのでは」と皮肉りつつ、「LH事態を単なる『不動産積弊』と見なして責任を逃れようとする姿には、相変わらずがっかりさせられる」と語った。政権5年目を前にした文大統領が、今になってようやく不動産腐敗について「韓国社会の不公正の最も重要な根」と述べたことも、遅きに失している、との指摘も出ている。「土地+自由研究所」のナム・ギオプ所長は「韓国は『不動産共和国』と呼ばれるほど、不動産があらゆる積弊勢力の物質的基盤となっていたが、文大統領のこれまでの政策を見ると、これに対する認識が足りていない」と述べた。

イ・ワン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/987015.html韓国語原文入力:2021-03-16 17:28
訳D.K

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