野党「国民の力」と保守マスコミが、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が退任後に居住する慶尚南道梁山(ヤンサン)の自宅敷地について攻勢を続けている。敷地の購入と形質変更の過程で特恵や不法があるなら、当然問題視しなければならない。しかし、内容を見る限り、ほとんど事実と異なる主張だ。
文大統領は自宅のある梁山市下北面芝山里(ハブクミョン・チサンリ)一帯に2630.5平方メートル(約796坪)の敷地を10億6410万ウォン(約1億240万円)で購入した。警護棟の敷地1023坪を含めると、全体規模が6005平方メートル(約1819坪)だ。そのうち1844平方メートル(約558坪)が農地だ。国民の力と保守マスコミは農業従事者でもない大統領が農地を買い入れたのは不法だと主張している。現行の農地法によると、農業を営む人だけが農地を所有するのが原則だ。しかし農地法は「農地を利用する者」も農地を所有できるよう定めている。帰農者がこれに当たる。文大統領は退任後農業に従事する意向を示しており、問題にならない。
農地の一部が大地に形質変更されたのが特恵だという主張も説得力に欠ける。梁山地域では、自宅と警護棟を建設できる規模の敷地を確保するのが難しく、農地の一部を形質変更するのはやむを得ない側面がある。また、市長や郡守などの正常な許可を受け、形質を変えるのは違法ではない。 農地が宅地に転換されれば地価が上がる。しかし、前任大統領の警護期間が最長15年であるうえ、警護施設がともに入るため、宅地に変わった土地だけを売ることは事実上不可能だ。
文大統領が農地を購入する際、「営農経歴」を11年と記したことを根拠に、農業経営計画書を虚偽作成したという疑惑も持ち上がっている。文大統領が議論の口実を与えた側面はある。ただ、現在自宅のある梁山市梅谷洞(メゴクドン)で自家菜園などを行った期間を記載したという大統領府の説明を偽りとは言い切れない。農業経営計画書が誤って記載されたとして、農地を取得できないわけではない。
李明博(イ・ミョンバク)元大統領と朴槿恵(パク・クネ)前大統領のソウル江南(カンナム)の自宅に比べて敷地規模が大きいのも、攻撃の材料になっている。江南と梁山を比較すること自体が理屈に合わない。2007年、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領が烽下(ボンハ)村に建てた自宅を「阿房宮」と非難したことを思い出させる。
韓国土地住宅公社(LH)事態の本質は、公職者が開発情報を利用して土地投機をしたことだ。退任して農業をするという大統領と結びつける問題ではない。国民の力と保守マスコミもこれを知らないはずがないだろう。何とかして大統領に恥をかかせるという過度な政治攻勢は、この辺で止めてほしい。