本文に移動

M7.3の地震で使用済み燃料プール溢れた福島第一原発、さらなる地震に耐えられるか

登録:2021-02-16 06:42 修正:2021-02-16 08:17
韓国の専門家ら「地震の規模に比べ地震動大きい」 
「溢れた水の量は懸念するレベルではないが、複合災害に備えるべき」 
今月13日、福島県でM7.3の大地震が発生した中、14日に二本松市で土砂崩れにより道路が寸断された=二本松/AP・聯合ニュース

 今月13日、福島沖でマグニチュード7.3の大地震が発生してから余震が続いており、同規模の地震発生の可能性まで取りざたされている中、福島第一原発の安全性への不安も高まっている。専門家らは、今後発生する地震規模を予測できないだけに、原発の損傷を防ぐための対策を急がなければならないと指摘している。

 15日、NHKの報道によると、日本政府の地震調査委員会は今後1週間程度は最大震度6強程度の揺れに注意を呼び掛けた。13日の地震も震度6強だったが、これに匹敵する地震の発生の可能性を警告したのだ。調査委は東日本側で「規模の大きな地震が起きる恐れがある」として、「揺れや津波への備えを改めて確認する」必要があると述べた。東北大学の遠田晋次教授はNHKのインタビューで「福島や宮城の沖合に加え、10年前の巨大地震の震源域の南北や日本海溝の外側といった領域では、マグニチュード9の巨大地震の影響で津波を伴う地震が起きる可能性がある」と診断した。

 延世大学地球システム学科のホン・テギョン教授は、地震規模に比べて地震動(地震で発生する地面の動き)が大きい点を警戒した。ホン教授は「今回の地震の規模は同地域では予想可能な水準だが、地震動がそれに比べて非常に大きい。地震動は地震規模や堆積層の厚さ、観測位置などによって差があり、海岸線近くは堆積層が厚く地震動が大きくなるが、そのような条件を考慮しても、極めて大きな地震動だった。福島第一原発が設計上耐えられる地震動の規模を超えた可能性がある」と説明した。

 大規模な追加地震が発生する可能性もあり、福島第一原発の損傷を防ぐための対策を急ぐ必要があるという声もあがっている。共同通信など日本メディアによると、今回の地震の際、福島第一原発の5号機と6号機の上層部にある使用済み核燃プールから一部水が漏れたことが分かった。運営会社の東京電力側によると、これに伴う放射能漏れはないという。

 原子力安全研究所のハン・ビョンソプ所長は「今回の地震による原発の安全は今のところ、懸念すべきレベルではない」としながらも、「地震後の複合災害に対する備えは必要だ」と強調した。「今回の地震で使用済み核燃料プールから溢れた水は微量であり、原発の損傷もなさそうだ。ただし、2011年の東日本大震災の際、地震と津波が重なった複合災害が発生し、大きな被害が発生したが、今回も大規模の追加地震があるかもしれない。複合災害に備えるべきだ」と述べた。全北大学地球環境科学科のオ・チャンファン教授も、「原発は本来、地震に耐えられるように設計されたにもかかわらず、今回(使用済み燃料)プールから水があふれる問題が起きた。地震や津波による被害は確実に予測できないため、備えが必要だ」と強調した。

キム・ミンジェ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/983025.html韓国語原文入力:2021-02-15 16:22
訳H.J

関連記事