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韓国で人気の童話作家、児童わいせつ行為で懲役2年6月受け法廷拘束

登録:2021-02-15 09:41 修正:2021-02-15 12:29
一審の有罪判決から2カ月たったが、子どもたちはいまも被告の本を読む 
ハン・イェチャン被告、法廷拘束…捜査・裁判中にも新たに24冊出版
先月21日、ソウル市永登浦区のある大型書店に小学校低学年用書籍コーナーに陳列されたハン・イェチャン氏の本=チェ・ウリ記者//ハンギョレ新聞社

 昨年12月3日午後2時、水原(スウォン)地裁法廷棟301号。刑事15部(チョ・ヒュオク裁判長)の判決公判がある日だった。これに先立ち2件の判決を下した裁判長が、13歳未満の未成年者に対する偽計又は威力によるわいせつ行為(性暴力処罰法違反)の容疑で起訴された児童童話作家のハン・イェチャン被告(53)に対する判決を述べ始めた。

 白いシャツと藍色のジャケットを着て出廷したハン被告は、法廷の最前列に座って裁判長の宣告を聞いた。ハン被告は2018年7月に始まった最初の裁判から一貫して、威力によるわいせつ行為はなかったと述べた。「親しい児童の意思によって唇にキスをしたり、自然に抱っこをするなどスキンシップをした」という主張だった。

 裁判所の判断は異なった。「当時11歳だった被害者の供述が一貫しており、直接体験していなければ言い表すのが難しい特徴的な部分を事実的に表現した。特に、口に舌を入れることと単純なキスを明確に区分し、感じの違いも捜査過程で具体的に表現した。何より犯罪事実が27件に該当するにもかかわらず、被害発生時期と場所、内容を比較的明確に分離して供述した」

 わいせつ行為の過程で威力があったという点も認めた。裁判所は判決文で、「論述授業、野外体験活動など教師の役割をしたハン被告が、このような関係を利用してわいせつ行為を行った」と判断した。「教師と児童との間の心理的、情緒的な信頼関係を利用してわいせつ行為をしたものとみられる。被告と被害者の地位、年齢、体格の差などから、被害者の自由意思を制圧するに十分とみられる。…教育的に順応しやすい小学生の被害者を相手に、キスや口に舌を入れて抱きしめることに被害者の同意があるとみるのはとても納得できない。恋愛経験のない幼い被害者の無知と地位の差などを利用した非正常な行動と見ざるを得ない」

 裁判所は、ハン被告に懲役2年6月を言い渡し、法廷拘束した。40時間の性暴力治療プログラム履修、児童・青少年・障害者関連機関への就職禁止も命令した。

 ハン被告が裁判所に向かって大声で言った。「わたしは人権侵害をしたこともなく、児童にむやみに接したこともありません。反対の証拠を出したにもかかわらず、MeToo事件と関連して検察、司法府がこれを考慮せずに下した誤った判決だと思います」。ハン被告は一審判決を不服として控訴した。量刑が少ないと判断した検察も控訴した。

一審有罪判決後も残る苦痛

 一審で有罪を言い渡されたが、被害児童の親は穏やかではいられなかった。ハン被告が書いた本が随所に置かれているからだ。

 「子どもたちが町内の公共図書館に行ったのですが、弟(妹)が被告の書いた本を手に取って、この本を読んでもいいかと聞いたそうです。何事もなかったかのように全部埋めてしまって生きたい。でも、あの作家の本や童謡に子どもたちが接触するのは防がなければ」

 有罪が確定すればハン被告の児童・青少年関連機関への就職制限は可能だが、ハン被告が過去に書いた子ども向け出版物の処理にはこれといった方法がない。女性家族部のイ・ジョンヨン児童青少年性保護課長は「有罪判決を受けた作家が学校などで講演をするのは防ぐことができるが、すでに出版した図書に対する処理方法はない」と話した。

 実効的な代案はないだろうか。京畿道龍仁市水枝区(ヨンインシスジク)にある「ケヤキ図書館」のパク・ヨンスク館長は、図書館の利用者にこのような作家の情報を積極的に知らせる方法を提案した。パク館長は「私たちの図書館は、否定的な問題に関係した作家の本は蔵書として維持するとしても、本の表紙に関連情報を書いて利用者が知ることができるようにしている。私立はもちろん、公立図書館や学校でもこうした内容を義務付ける法的根拠などを設けるのも一つの方法になるのでは」と話した。

チェ・ウリ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/982939.html韓国語原文入力:2021-02-15 08:07
訳C.M

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