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韓国、成長率3%の見通しにも素直に喜べない理由とは

登録:2021-01-09 08:46 修正:2021-01-09 10:47
[土曜版] 親切な記者たち
今月6日午後、政府の「カフェでのイートイン禁止」措置により、椅子の利用を禁止したソウル冠岳区のあるカフェ内部/聯合ニュース

 新年にはコロナ禍の長いトンネルの終わりが見えるでしょうか。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「必ず新型コロナウイルスを克服し、大切な日常を回復する」(7日、新年の辞)と述べました。そうです。私たちの願いは一つ、春になったら、このマスクとおさらばすることです。

 こんにちは。企画財政部担当の経済部記者、イ・ギョンミです。文大統領は「新年には先導国家として跳躍する」と強調しました。韓国政府はもちろん、国内外の経済研究所が今後の韓国経済について楽観的な見通しを示しています。昨年より3%前後成長するというのが大方の予想です。

 かなり希望が持てる見通しではありますが、現実はそうではありません。実体経済は冷め切っています。周りの店が次々と廃業し、就職はさらに狭き門となりました。ところが、株価は「KOSPI3000」時代を迎えています。「夢の3000時代」と言うほどです。多くの人が生活苦を訴えているのに、株式市場には流動性が溢れています。到底理解不可能な二極化現象です。韓国全体の経済を数値化したものを見ると、成長の可能性があるかもしれませんが、二極化により業種間・階層間の格差が広がっています。新型コロナ以降の経済回復は、アルファベットのK字型に二極化することから「K-回復」と呼ばれています。

 成長傾向を示す業種を見ると、まず半導体や情報通信関連企業が「非対面経済」の時代を本格的に切り開くと言われています。株式市場ではいわゆる「BBIG」(バイオ、バッテリー、インターネット、ゲーム)業種が未来の成長産業として注目されています。新たに株式市場に流入される資本は主にこれらの業種に集まります。

 一方、新型コロナにより大打撃を受けた分野は旅行や飲食、宿泊、レジャーなど対面サービス業種です。これらの分野には特に零細企業が多く、株式市場に上場されていない企業が多いです。だから新型コロナの被害が株に十分に反映されず、現実とかけ離れる現象が生じるのです。国際通貨基金も昨年10月の金融安定報告書で、「米国の株式市場は新型コロナパンデミックの影響が少ない業種と大企業に支配されている」とし、実体経済と株式市場の乖離を指摘しました。

 二極化現象の重要な要素となっている不動産は、言うまでもない状況です。「魂までかき集めて資金を調達する」といわれる不動産投資ブームと、住宅価格の上昇が歯車のようにかみ合い、破竹の勢いで上がっています。株式や不動産など資産価値の上昇は、もともとそれを持っていた人たちの資産をさらに増やしますが、投資するお金さえない人たちを疎外します。統計庁の家計金融福祉調査によると、昨年3月現在の純資産の上位10%が全体資産で占める割合は43.7%で、前年よりも0.4%増加しました。今年もコロナ禍が続けば、資産格差の拡大にさらに拍車がかかるでしょう。

 このようなK字型の回復は、経済全体にも負担となります。財務構造が不健全な限界企業が増え、家計負債の規模が国内総生産規模を上回るほど急増した状況は、外部のショックに耐える能力を弱めます。いくら成長率が3%、4%を記録したとしても、このような二極化を解決せずに、どうやって「先導国家」と言えるでしょうか。

 さらに深刻なのは雇用部門です。すでに新型コロナで主に対面サービス業に従事している女性や若者、相対的に雇用が不安定なパートと日雇い労働者の多くが仕事を失いました。一度減ってしまった雇用は生産と消費に比べ、回復の速度が遅いのです。各企業では売上げが伸びても、いつ再び状況が悪化するか分からないため、採用を増やすのに慎重になりがちです。

 専門家たちが懸念している部分が、今の若者世代が経験するかもしれない「履歴効果」です。履歴効果とは、経済危機の時、若者が良質の職場に就職できず、経歴を積む機会を失い、その後も就職の機会と賃金が下がる現象を指します。韓国雇用情報院が最近発表した報告書「大卒者の初雇用の特徴」によると、昨年5月基準の大卒者のうち、初雇用が常用職の人は前年同月比5.9%減り、初雇用が臨時・日雇いの人は1.5%増えました。若者世代が経歴を積む機会を奪われる問題は、すぐには表面化しないかもしれません。しかし、いま対処しなければ今後国家経済の大きな損失として返ってくるでしょう。

 与党では今、第2次全国民災害支援金の支給が取りざたされています。災害支援金は一時的な所得補填になるかもしれませんが、格差を根本的に防ぐことはできません。もう1年が過ぎました。コロナ禍に対処する社会的議論が、第1次災害支援金の支給をめぐって論争を繰り広げていた当時のレベルに戻ってはなりません。真の「先導国家」を実現するための議論を始めなければならない時です。

//ハンギョレ新聞社
イ・ギョンミ経済部記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/977995.html韓国語原文入力:2021-01-08 22:34
訳H.J

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