カン・ギョンファ外交部長官が21日、北朝鮮軍の銃撃を受けて死亡した海洋水産部公務員の実兄、イ・レジンさんと面会した。先月22日に公務員が射殺された事件が発生して以来、外交・安保関係省庁の長官が遺族に会うのは初めて。
カン長官は同日午前10時ごろ、ソウル総合庁舎別館(外交部)でイさんと約25分間非公開面会を行った。イさんは23日、国連総会に報告される今回の事件への対応を含め、外交部の立場と計画を問うと共に、事件の真相究明に向けた外交部の協力案などを書いた建議書を事前に用意し、質問した。
カン長官との面会後、イさんは記者団に「カン長官が(関連建議を)検討し、書面で答弁すると約束した。また、できる限り協力すると話した」と伝えた。また「北朝鮮の人権問題が23日に報告される国連総会に関する内容、弟の遺体が中国を経て韓国に戻る可能性があることから中国政府との協力をお願いした」と語った。
イさんはまた、昨年から韓国政府が国連総会で採択されてきた北朝鮮人権決議案の共同提案国に含まれていないとして、外交部の参加を求めたという。これに先立ち、韓国政府は昨年から北朝鮮人権決議案の採択には参加したものの、共同提案国には名を連ねていない。当時、政府は「北朝鮮住民の人権が実質的に改善されるよう国際社会と共に努力するという立場のもと、採択に参加した」とし、「朝鮮半島情勢など諸般状況を総合的に考慮し、共同提案国には参加しなかった」と説明した。
今回の面会は7日、国会外交統一委員会の国政監査で、イさんの証人採択問題をめぐり与野党が合意できない中、カン長官がイさんと面会する意向を示したことで実現した。当時野党議員らは、イさんがソウルの国連人権高等弁務官事務所を訪れ、弟の死亡経緯などを調べてほしいと直接要請し、パン・ギムン前国連事務総長に会って協力を求めた点などを挙げ、外交部がこの事件の対応に乗り出すべきだと主張した。
国連北朝鮮人権状況特別報告者のトマス・オヘア・キンタナ氏は23日、国連総会で公務員射殺事件に対する北朝鮮の責任を究明し、遺族への補償を求める内容が含まれた北朝鮮の人権状況を報告する予定だ。