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電信柱 抜いたら なべ鶴 飛んできた

原文入力:2009-12-06午後10:03:31
[現場]‘なべ鶴 越冬地’順天湾
生態系保存地区に指定
観光客 3年間で10倍 急増

クォン・ウンジュン記者

←電信柱が消えた順天湾上空でなべ鶴(黒丹頂鶴)が群れをなしのんびりと戯れている。 順天市提供

去る2日午後に訪ねた全南,順天湾の空は大きく広かった。越冬地としての条件が厳しいことで有名な丹頂鶴たちのために、順天市が今春この一帯の電信柱230本余りを皆抜いてしまったためだ。200余万坪の葦の森の上でのんびりと戯れるなべ鶴100匹余りの群舞は、なぜ今年一年間に300万人の足がここを訪れたかを説明して余りあった。

←順天湾 越冬 丹頂鶴個体数と観光客数の推移

世界5大沿岸湿地に挙げられる順天湾は世界に9000匹余りしか残っていない天然記念物なべ鶴の代表的な冬季棲息地だ。1997年以前には大邱達城,慶北高靈など洛東江周辺が越冬地に選ばれていたが、骨材採取,ビニールハウスのような環境破壊により今は順天湾が国内最大の越冬地になった。

順天湾は96年70羽余りのなべ鶴が訪れ、2006年には219羽,2007年229羽と個体数が着実に増加した。電信柱を抜いた今年11月末現在、なべ鶴は昨年11月(235羽)に比べ120羽程度増えた350羽と推定されている。世界でも類例のない渡り鳥のための電信柱除去がひとまず成果を上げたわけだ。順天市はなべ鶴が最も多く訪れる来年2月には今年2月の339羽より大幅に増加するものと見ている。

順天市はこれと共に順天湾周辺773.8haを‘生態系保存地区’に指定し、内陸湿地も復元した。順天湾一帯の食堂を全て買いあげ撤去したり鳥類観察のための探鳥展望台に変えた。こういう努力の甲斐あってなべ鶴の他にも天然記念物の黄色クチバシヘラサギ,マガモ,トモエガモ,ほおじろカルガモも個体数が倍以上に増えた。韓国鳥類学会長のイ・ウシン ソウル大教授は「順天湾一帯の環境保全努力でなべ鶴をはじめとして渡り鳥が増えたことは教科書に載るほどのこと」と評価した。

渡り鳥が増えると観光客も急増した。2006年に32万人に止まった順天湾探訪客は、2007年には180万人,2008年には263万人に急増し、今年に300万人を予想している。順天市は昨年263万人の観光客が訪れ、1074億ウォンの経済効果を上げたと評価した。こういう‘生態経済効果’のおかげで、順天市は地方中小都市としては珍しく人口が減っていないという。順天市の人口は2000年序盤から27万人水準を着実に維持している。

キム・ヒョングク緑色成長委員会委員長は「順天市の順天湾保全は環境と経済が共存できるということを示す模範的事例」と話した。

順天/クォン・ウンジュン記者details@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/391797.html 訳J.S