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新型コロナ疫学調査官の10人中9人が「強いストレスを感じた」

登録:2020-08-13 06:15 修正:2020-08-13 09:06
第2回京畿道新型コロナ対応人員認識調査 
 
公正でない業務配分、侮辱的な言葉、感情的な苦情など 
「治療・防疫人員が鬱憤やストレスを感じている」
ソウル中区南大門市場のケネディ商店街で発生した新型コロナ集団感染に引き続き、近くの中央商店街でもさらに感染者が出た。11日午後、市場に用意された臨時の選別診療所で市民たちが検査を受けるために並んでいる/聯合ニュース

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の疫学調査官など現場で対応する人員の89.5%が強いストレスを経験していたことが明らかになった。ストレスを引き起こした主な原因は、公正でな業務の割当、侮辱的な言葉が混ざっていたり感情的な苦情申し立て、非民主的な意思決定などだった。

 11日、京畿道公共保健医療支援団とソウル大学保健大学院のユ・ミョンス教授チームは、このような内容の「第2回京畿道COVID-19医療・防疫対応チーム認識調査」の結果を発表した。2カ月前の6月11日に発表した第1回調査に続く2回目の調査だ。今回のアンケート調査は先月21~29日に実施され、京畿道のCOVID-19担当人員621人が参加した。彼らのCOVID-19関連の勤務期間は平均147日(4.9カ月)。

 調査チームはアンケートの参加者に、COVID-19の治療や防疫の仕事で強くストレスが溜まる経験をしたことがあるかを、1~5点(経験しなかった~非常に頻繁に経験した)の尺度で尋ねた。調査結果の平均は2.92点で、一度でも経験したことのある人は69.7%を占めた。参加者のうち疫学調査官など現場対応職に限って見ると、ストレスを経験した人員は89.5%にのぼる。

 ストレスの原因の25.4%は「若手を中心に勤務を担当させるなど、公正でない業務分配」を挙げた。謝罪の強要など無理な要求によりストレスを感じたと答えた割合も19.6%にのぼった。その他、非民主的(独断的)な意思決定(19.6%)、不当な取り扱いや待遇が12.7%、すべてを医療チームのせいにしたり苦情を受け付けたという理由で公務員に責任を回すなどの責任転嫁(4.6%)などがあった。

 調査チームはストレスを誘発する原因も尋ねた。その結果、無理な要求が38.5%と最も多く、無理な要求の例としては「検査対象者ではないのに無料検査を要求」「感染者情報の公開要求」「食事がまずい」などがあった。その他、感情的な不満の表出(29.6%)、医療チームへの不信と非協力(16.2%)、費用・手続きの問い合わせ(12.7%)、外国人との意思疎通(3.1%)からもストレスを受けたとの回答があった。

 治療・防疫人員の業務を継続したいという意志は相変わらず高い水準だが、第1回調査の時より下がった点も目につく。業務継続の意志を1~4点(全くそう思わない~非常にそう思う)で尋ねると、「COVID-19事態が続く限り、与えられた仕事を続ける」という項目の平均は2.95点で、第1回の3.16点より低くなった。

 事態の長期化への対応のために必要な7つの事柄に対する5点尺度(全く必要ではない~非常に必要だ)のアンケートでは、補償など政府の事後の責務の強化(78.3%)と感染病に対応する専門人材の育成(77.6%)、感染病などの疾病の管理に対する政府投資の拡大(77.5%)が重要だとされた。最も少なかったのは全国の公共医療施設の増加(66.5%)だったが、これも過半数は必要だと認識していたと調査チームは説明した。

チェ・ハヤン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/957453.html韓国語原文入力:2020-08-12 14:35
訳M.S

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