原文入力:2009-12-01午後08:12:53
"複数労組は労働基本権" "民主労総と鉄壁共助" 叫んだのに…
組織地位 落ちるかもと名分捨てて実利選択 内部でも批判 拡散
ナム・ジョンヨン記者
←複数労組および労組専従者賃金問題に対する韓国労総の闘争日誌
韓国労働組合総連盟(韓国労総)が複数労組許容反対を公開的に明らかにし経営者総協会(経総)等と労組専従者賃金支給禁止方案に対する交渉に入ったことに批判の声が高い。こうした急旋回は労働運動の大義を破る行為であり、目の前の狭い利害関係により組織が動く風土を踏襲したものと専門家たちは指摘した。
何よりも論議になったのは、韓国労総が複数労組許容反対を公開的に明らかにした点だ。チャン・ソクチュン韓国労総委員長は去る30日に緊急記者会見を行い「(複数労組を許せば)企業内部で労組間に死活をかけた組織競争が避けられず、さらに闘争的な労組が支配する時代になる」とし、複数労組禁止を要求した。複数労組許容は国際労働機構(ILO)等が勧告した‘結社の自由’に関する問題であり‘グローバルスタンダード’と強調してきたこの間の態度を180度変えたものだ。
労働界のある幹部は「労働者が労組を組織してはならないと言うのは労組ではありえないこと」として「複数労組を受け入れることが現場でいくら難しくとも長期的な展望を持って原則を守るべきだった」と指摘した。
民主労総と‘鉄壁共助’を誇示しておきながら、事前告示もせずにハンナラ党・経総・労働部と30日に4者会合を行ったことも信義を失わせたという批判を免れない。民主労総は「複数労組は有不利を問う利害関係の問題ではなく、人権,平等,自由などのように基本的労働者の権利に属する問題」として「韓国労総が真の労働者のための組織に新たに出ようと思うなら、早く闘争の隊列に参加することを再度促す」と明らかにした。
韓国労総のこういう方向旋回は、傘下労組の立場や労働界で韓国労総が占める地位などと関連が大きいという分析だ。先月から韓国労総所属の航運労連など一部産別労組を中心に複数労組を禁止しなければならないという主張が感知され、組織全体的には専従者賃金を必ず守らなければならないという雰囲気が支配した。韓国労総の組織力が脅威を受けるという憂慮からだ。
韓国労総本部は産別労組の立場をなだめ原則論を守ってきたが、ハンナラ党が30日△複数労組禁止3年猶予△労働者1千人以下事業場の労組専従者賃金支給は労使自律で決定などの仲裁案を出すや、名分を捨て実利を選んだものと見られる。韓国労総関係者は「世宗市や4大河川など他の懸案に埋没し韓国労総の主張が死蔵される可能性が大きかった」とし「こういう状況を認識し勝負の賭けに出た」と説明した。
ところが韓国労総内部ですらチャン・ソクチュン委員長の電撃的な態度変化に困惑を隠せずにいる。チャン委員長が記者会見をした30日午前まで韓国労総執行部の大多数はこういう方針変化を知らなかったことが分かった。韓国労総関係者は「チャン委員長が持ってきた案を見て驚き困惑していた」とし「交渉を最後までしてみてカードとして出すならば分からないでもないが、先制的にこのように明らかにして出るとは思わなかった」と話した。
キム・ユソン労働社会研究所長は「1997年産別複数労組を許した後、労働界内部の葛藤がなかったように、企業別複数労組を来年許容しても韓国労総が憂慮する状況にはならない」としつつ「わずか数日で態度を変えた韓国労総の姿を見て人々が混乱している」と話した。
ナム・ジョンヨン記者fandg@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/390892.html 訳J.S