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グリーンニューディールは経済政策? 「気候危機戦略」を縮小させた韓国政府

登録:2020-07-16 09:08 修正:2020-07-17 07:23
政府の「グリーンニューディール」計画が当初の案より後退した理由とは? 
灰色産業の縮小は言及せず、エコ事業だけ並べる…「大転換は実現できない」
気候危機非常行動のメンバーたちが今月15日、ソウル鍾路区光化門広場で政府のグリーンニューディール計画に対する批判記者会見を行っている//ハンギョレ新聞社

 今月14日に公開された文在寅(ムン・ジェイン)政府の「グリーンニューディール」総合計画案は、共に民主党が作成した草案よりも後退したことが確認された。「経済・社会的大転換」を成し遂げたとしているにもかかわらず、個別事業を短期間支援する水準にとどまったのは、グリーンニューディールを経済政策とだけ理解した政府の「気候危機認識不足」のためという批判の声もあがっている。

 15日、未来転換・Kニューディール委員会のグリーンニューディール分科でまとめた「韓国型グリーンニューディール総合対策案」によると、最終案より一歩踏み込んだ政策が含まれていた。まず、長期ビジョンを提示した。2050年までに温室効果ガスの排出量と除去量が相殺され、純排出量が0になるカーボンニュートラル状態の「ネット・ゼロ」目標が必要だと考えた。草案には毎年太陽光5ギガワット、風力2ギガワットなど7ギガワットずつ再生エネルギーの発電量を増やさなければならないとされたが、最終案には2020年から2022年まで毎年平均4.5ギガワット、2023年から2025年まで毎年平均5.5ギガワットの増加に下方修正した。また、草案は2022年までに2032の事業に国費45兆ウォン(約4兆円)を投資する予算案を組んでいた。最終案は国費42兆7千億ウォン(約3兆8千億円)を投資するとしているものの、その期間が2025年に延びた。例えば、共に民主党は公共・民間ゼロエネルギー建築とグリーンリモデリングの場合、2022年までに6兆7千億ウォン(約6千億円)を投入すべきだと主張したが、政府が発表した最終案には国庫負担が1兆8千億ウォン(約1600億円)に減った。

 草案には「正しい転換」の条件も明示されていた。石炭発電の中止や内燃機関車の撤退など、灰色産業の構造再編の過程で、同産業に従事する労働者と地域共同体の被害を最小化する案が含まれていた。最終案でも「公正な転換」に触れたものの、研究調査を経て代案を模索するという水準であり、そのスピードにも差がある。最終案には干潟4.5平方キロメートルの復元など生態系復元計画が盛り込まれているが、環境運動連合は「干潟面積全体の0.2%水準であり、依然として多くの干潟が埋め立てられている現実を考えると、失望させられる計画」と述べた。

 草案は企画財政部や大統領府との協議過程で大幅に後退したものと見られる。政府の気候危機の深刻性に対する認識レベルが低く、グリーンニューディール事業を経済政策に限定させたためだという分析だ。温室効果ガス削減目標時点を提示できず、決断を先送りしている理由について、政府は「社会的コンセンサスの形成が行われている」と説明した。また、2025年までの計画にとどまった理由について、企財部の気候環境政策担当者は「長期財政計画を立てることは現実的ではない」と述べた。しかし2018年のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、世紀末まで1.5度に上昇幅を制限しなければならず、このためには2050年のネット・ゼロが避けられないと結論付けた。

 共に民主党内部では「最初の一歩を踏み出したことに意義がある」という自嘲的な評価と「虎を描けと言われていたのに、猫を描いてしまった」といった批判的な評価もある。民主党は「2050ネット・ゼロ」を含む温室効果ガス削減目標を盛り込んだ「気候危機対応法」を発議し、政府政策を補完する計画だ。

 同日、エネルギー労働社会ネットワークは「気候危機対応と温室ガス削減よりは産業育成の側面が強調された」と批判した。気候危機非常行動は同日の記者会見で「気候危機の原因となったシステム、つまり経済成長だけを最優先の価値として化石燃料をむやみに使ってきた体制から脱却し、新しい社会経済システムに移していくための戦略が必要だ」とし、「しかし政府の発表には石炭発電、内燃機関車両生産のような灰色産業の縮小に対する言及はなく、環境にやさしい事業の育成策だけが並べ立てられている」と指摘した。緑の党や未来党、正義党、韓国環境会議も同日、「グリーンニューディール事業の推進は温室効果ガスの削減と不平等の解消という原則によって行われなければならない」とし、政策樹立のための共同行動を宣言した。

チェ・ウリ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/953859.html韓国語原文入力:2020-07-16 05:01
訳H.J

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