韓国の兵務当局が良心的兵役拒否者35人に対し、初めて代替服務の決定を下した。
兵務庁は15日、資料を発表し「代替役審査委員会が初の全員会議を開き、『入営忌避で起訴された後、最高裁(大法院)で無罪判決が確定した35人』を代替役に編入させた」と発表した。入営対象者の代替役編入の決定が行われたのは、昨年12月、国会で代替服務を認める改正兵役法などが成立して以来初めて。
彼らは全員先月30日から今月7日まで代替役編入を申請した人たちで、今回「事実調査」と「事前審査委員会の審議」なしに代替役編入が決まった。これは、兵役忌避者が無罪確定判決を受け、代替役への編入の申請をすれば、直ちに認容するように定めた「代替役の編入および服務などに関する法律」(代替役法)によるものだ。
今後、代替役の編入はさらに増える見通しだ。先月30日までに兵役忌避の容疑に対して無罪判決を受けた人は約650人で、裁判中の人は約310人だ。良心の自由を理由に服務を延期中の人は約870人と推算される。
今回、代替役に編入された35人は今年10月から代替服務要員として召集され、法務部の矯正施設で現役服務期間の2倍にあたる36カ月間合宿しながら、給食・物品・保健衛生・施設管理などの補助業務を行うことになる。
また、代替役審査委員会は同日、憲法裁判所および最高裁の判例、海外の事例、専門家の意見を参照し、代替役編入審査の際に考慮すべき内容をまとめたと発表した。その内容によると、宗教的信念に関しては、信仰期間および実際の宗教活動の有無▽軍隊服務に関する教理の内容▽信仰を持つようになった動機と経緯▽信徒が実際に軍隊服務を拒否するかどうかなど8つの要素であり、個人的な信念に関しては、信念の具体的内容と同期▽信念が形成された動機と経緯▽信念に基づく外部活動の有無▽信念の一貫性の有無など8つの要素がある。