解熱剤を服用して済州島を旅行した後に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)陽性判定を受けた旅行客に対し、済州道は損害賠償訴訟を起こすことを決めた。
済州道は7日、済州を旅行した後に陽性判定を受けた京畿道安山市(アンサンシ)在住のAさんを相手取って1億3千万ウォン(約1170万円)の損害賠償訴訟を起こすことにしたと発表した。今回の訴訟には、Aさんの陽性判定で損害を被った2つの企業も参加する。損害賠償請求額は、済州島は防疫費用と隔離費用、被害企業は営業中止による損失や慰謝料などを算定して決めた。
Aさんは先月15日から18日までの3泊4日の日程で、もう一人のCOVID-19感染者Bさんらとともに済州島を旅行した。Aさんは2日目の16日から体の痛みや風邪に似た症状が出るなどのCOVID-19の症状の発現が見られたが、2日間にわたり解熱剤を10錠服用しつつ、有名観光地や飲食店などを訪問した。この過程でAさんと接触した56人が隔離されている。
済州道は、COVID-19の疑いがあるにもかかわらず、届け出や検査なしに旅行を強行したとし、追加感染や防疫人材の浪費などを防ぐためにも、断固として対応する方針だ。
既に済州道は、今年3月の済州道入り当日から悪寒や筋肉痛、のどの痛みがあったにもかかわらず検査を受けず、4泊5日の日程を終えて帰宅後に陽性判定を受けたソウル江南区(カンナムグ)の母娘に対しても損害賠償請求訴訟を起こしている。