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無症状と軽症の確定感染者、入院ではなく生活治療センターへ

登録:2020-06-22 02:30 修正:2020-06-22 07:09
中対本、中央臨床委の勧告を即時受け入れ 
病床不足事態の対策を立案 
 
入院時も症状が改善すれば早期退院 
自宅隔離か生活治療センターへ移送
21日午後、ソウル中区の国立中央医療院で開かれた新型感染症中央臨床委員会の記者会見で、オ・ミョンドン中央常任委員長が資料を発表している//ハンギョレ新聞社

 今後は、無症状または軽症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者は病院に入院せず、生活治療センターへ直ちに搬送される見通しだ。入院中の患者も症状が改善すれば早めに退院させ、自宅で隔離したり、生活治療センターに搬送する方策が進められる。

 中央災害安全対策本部(中対本)のパク・ヌンフ第1次長は21日午後の定例ブリーフィングで「集中治療室が十分に準備されていても、その病床を軽症患者がすでに埋めていたとしたら、重症患者が多くなった時にすぐに使用できないという限界がある」とし、今週中に「COVID-19対応指針」をこうした内容へと改正すると明らかにした。これに先立ち、同日午前には国立中央医療院の「新型感染症中央臨床委員会」(中央臨床委)が、国内のCOVID-19患者の臨床記録を分析した結果に基づき、退院可能な患者の自宅隔離または生活治療センターへの移送を勧告しているが、防疫当局がこれを直ちに受け入れたかたちだ。中対本は「遺伝子増幅(PCR)検査で陰性」を退院基準から除外することも検討している。

 現在の指針では、確定感染者が退院などの隔離解除となるためには、症状がないだけでなく、24時間の間隔を置いた2回のPCR検査で連続して陰性が出なければならない。しかし、無症状や軽症の患者にも陽性が出るケースが多いため、入院期間は平均で25日以上となっている。このため、専門家は今年2~3月に大邱・慶尚北道で起きた「病床不足」が繰り返されかねないと懸念している。重症患者が即時入院可能な陰圧病床は20日現在、首都圏で38床、大田(テジョン)で3床に過ぎない。

 特に、PCR検査の結果を隔離解除の基準としていることについて、中央臨床委員会のオ・ミョンドン委員長(ソウル大学感染内科教授)は、「PCR検査で陽性となる患者のうち、80~90%は特別な治療をしなくても治るが、これらの人々をすべて病院に入院させていたら、それだけ病院で治療を受けなければならない(高危険群の)患者の病床がなくなる可能性がある」と語った。世界保健機関(WHO)や米国、英国などで、陰性かどうかとは関係なく、発病後の期間や症状の改善具合だけを見て隔離解除しているように、不要な長期入院で病床資源を無駄遣いする必要はないということだ。中央感染症病院のパン・ジファン運営センター長(感染内科)は、「入退院基準の変化だけでも、低リスク患者の入院期間を半分以下に短縮でき、COVID-19治療に使用している病床の規模を現在の3分の1程度に減らせるだろう」と見通した。

 一方、中央臨床委が国内の55の病院で治療を受けた1309人の新型コロナ患者の臨床記録を分析した結果、「症状が出てから7日以内に入院した50歳未満で▽基礎疾患がなく▽確定判定が出た時に呼吸困難がなかった成人患者では、酸素治療が必要なほど重症化する割合は1.8%(556人中10人)に過ぎなかった。このような危険度の低い患者は、呼吸困難に陥るなど症状が悪化した時に通報する保護者さえいれば、入院は必ずしも必要ないというのが中央臨床委の判断だ。中央臨床委は、入院中の患者も50歳未満で症状発生から10日が過ぎるまで酸素治療を受けていなければ、退院しても問題ないと明らかにした。ただし、肥満指数(BMI)30以上の高度肥満、糖尿、認知症などの基礎疾患がある患者、65歳以上の高齢者などは、人工呼吸器が必要なほど重症化する確率が10%以上となるため、必ず入院治療を受ける必要がある。

ファン・イェラン、クォン・ジダム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/950320.html韓国語原文入力:2020-06-21 21:21
訳D.K

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