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米国、朝鮮半島平和交渉本部長の訪米当日に制裁を延長…“狭くなった”交渉テーブル

登録:2020-06-19 00:15 修正:2020-06-19 07:19
「平和と統一を開く人々」の活動家たちが今月10日午前、ソウル鍾路区にある外交通商部庁舎前で「韓米作業部会会議に際した平和行動」を開き、対北朝鮮制裁の解除と平和協定の締結などを求めている//ハンギョレ新聞社

 韓国外交部のイ・ドフン朝鮮半島平和交渉本部長が17日(現地時間)、米ワシントンを訪問した。今回の訪米は、北朝鮮が開城(ケソン)南北共同連絡事務所を爆破するなど、南北関係が急速に悪化する中、電撃的になされた。

 イ本部長は同日午後、ワシントン近くのダレス国際空港に到着したが、訪問の目的と日程などについてはコメントを控えた。外交部は今回の訪米目的について、「イ本部長は、ビーガン国務副長官兼対北朝鮮政策特別代表と韓米首席代表の協議を行い、現在の朝鮮半島の状況を分析し、対応策について話し合う予定だ」と発表した。今回の訪米の主な目標は「状況悪化の防止」だという。北朝鮮がさらなる軍事措置を行動に移し、緊張が急激に高まったことを受け、朝鮮半島情勢が2017年のような南北間、朝米間の対決局面になることを防ぐため、電撃的に訪米を決めたものとみられる。イ本部長は今週、ワシントンに滞在し、カウンターパートのビーガン代表をはじめ、国務省やホワイトハウス国家安保会議(NSC)関係者などに面会するものと予想される。これらの協議で、南北経済協力を通じて対北朝鮮制裁を緩和する案などが取り上げられるかどうかも注目される。米国務省は今月16日の論評で、「米国は南北関係に関する韓国の努力を全面的に支持する」と述べた。

 大統領府は、イ本部長が対米特使の資格で訪米したという一部メディアの報道について、「事実ではない」とし、「特使ではなく、すでにかなり前に計画された日程に従って米国を訪問した」と明らかにした。実際、韓国外交当局は首席代表協議の必要性に共感し、1カ月前から協議時期と方式を調整してきた。今月4日、キム・ヨジョン朝鮮労働党中央委員会第1副部長が韓国の民間団体によるビラ散布や、これを「見て見ぬふり」する韓国政府を強く非難する談話を出した後、状況が悪化したことを受け、首席代表協議の日程が最終確定したものとみられる。韓米いずれも事態を重く受け止めていることがうかがえる。当時、キム第1副部長は北朝鮮へのビラ散布について、「それ相応の措置を取らなければ」という条件を付けたものの、金剛山(クムガンサン)観光の廃止や開城(ケソン)工業団地の完全撤去、南北共同連絡事務所の閉鎖、南北軍事合意の破棄などを予告した。

 一方、ドナルド・トランプ米大統領は同日、北朝鮮を制裁するこれまでの行政命令をさらに1年延長した。ブッシュ政権時代の2008年に発動された行政命令第13466号とその後拡大された5件の計6件の対北朝鮮制裁を引き続き維持すべきだと議会に通知し、連邦官報に掲載したのだ。トランプ大統領は議会通知文で、「朝鮮半島で兵器に使用され得る物質の存在と拡散の危険は、米国の国家安保と外交政策にとって異例で特別な脅威となる」と述べた。このような延長は、初の行政命令第13466号が発動された2008年6月26日以降、毎年6月下旬ごとに行われてきた。今年の場合、朝鮮半島の緊張が高まる時期が重なったが、予定された日程に沿って行われる行政措置であるため、米国が北朝鮮を狙って制裁をさらに延長したとは見難い。

ノ・ジウォン記者、ワシントン/ファン・ジュンボム特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/950023.html韓国語原文入力::2020-06-18 22:38
訳H.J

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