新型コロナウイルス感染症(COVID-19)事態で対面授業がオンライン授業に代替されるなど、大学の「学習権」被害に対し、大学生たちが各大学と教育当局を相手に訴訟を起こす方針を示した。
全国の大学の学生会などの団体が集まった「授業料返還運動本部」は14日午前、政府ソウル庁舎前で記者会見を開き、「授業料返還訴訟と高等教育法と大学授業料に関連する規則に対する法案改正署名運動に突入する」と発表した。彼らは「全国300万の大学生は行事の取り消し、授業切り替え、施設の未利用など、授業料審議委員会で策定された授業料に値する権利を全く保障されていないが、この4カ月間対策は皆無であり、学生たちの要求に対する回答はなかった」と主張した。彼らは今月18日から訴訟人団を募集し、6月末に各大学と教育部を相手に訴訟を起こす計画だ。訴訟では「授業料の一部に対する不当利益の返還請求」「債務不履行による損害賠償責任」などを問う。
大学生たちはコロナ禍で大学が対面授業をオンライン授業に切り替えるなどの措置を取ったにもかかわらず、授業料はそのまま受け取るのは不合理だと主張する。一部の大学では特別奨学金の支給などに乗り出したが、大学生たちは納付した授業料に対する明確な返還または還付が必要だという立場だ。先月、全国大学学生会ネットワーク(全大ネット)が全国の大学203校の2万1784人を対象に実施したアンケート調査の結果によると、99.2%が「授業料の返還が必要だ」という意見を出した。「授業料返還形態」については、87.4%が「納付した授業料に対する返還・還付」を挙げた。「授業料の金額に比例して支給」(54.3%)されなければならず、適切な割合としては「半額返還」(55%)を挙げる意見が多かった。
授業料返還運動本部は「過去、既成会費の廃止、入学金の廃止なども学生の法的対応を通じて作られた結果だ」とし、「韓国だけでなく、米国では50余りの大学の学生が返還訴訟とオンライン請願を始め、英国では25万人余りの学生が授業料と寮費の返還を要求している」と明らかにした。「日本の京都芸術大学、米国のアイオワ州とウィスコンシン州の一部の大学は学生の要求に応え、授業料の一部返還を決定した」とも指摘した。
大学生たちは、授業料返還訴訟だけでなく、授業料返還に関する明確な規定がない高等教育法と大学授業料に関する規則などの法制度を正すことにも取り組むと明らかにした。全大ネットのイ・ヘジ執行委員長は、ハンギョレの電話取材に対し「明確な授業料免除や減額の規定がない法制度の隙間を利用して大学が“ごまかし”をしている。法案改正署名運動を繰り広げ、これを正す」と話した。