大邱(テグ)で初めて新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の陽性判定を受けた61歳女性が、大邱医療院に入院してから67日後に退院したことが分かった。大邱市はこの女性の入院費が3000万ウォン(約260万円)を超えると見て被害補償を検討している。
大邱医療院は26日、「大邱で初めてCOVID-19感染判定を受けて入院していた61歳女性患者(31人目の感染者)が完治して24日に退院した。この患者は2月17日に入院した後、感染による症状が完全に消え、今月22日の1次隔離解除検査の際に陰性となり、続く2次検査でも陰性と確認されて退院措置を行った」と明らかにした。キム・シヌ大邱感染病管理支援団長(慶北大学医学部感染内科教授)は、「31人目の感染者が大邱で最も長期の入院患者だ。COVID-19感染患者の中には通常でも3~4週間入院する場合はあるが、このように2カ月以上の長期入院をするのは非常に珍しいことだ。具体的な長期入院の理由はわからず、状態を見守って好転するまで待つしかない」と語った。
この女性は最近、大邱市の疫学調査の際に嘘をついた事実が明らかになった。大邱市は「新天地大邱教会の監視カメラの調査により、31人目の感染者が2月9日と16日の2回教会を訪問したのではなく、2月5日にも訪問した事実が確認され、2月16日の訪問の際に新天地大邱教会の4階にだけ居たとの陳述も偽りだと判明し、7階も訪ねたことが確認された」と明らかにした。
チェ・ホンホ大邱市行政副市長はCOVID-19のブリーフィングで、「別途、求償権の行使を検討中だ。警察の捜査結果を参照して31人目の女性感染者を相手に被害補償を求めることができる策を検討している」と語った。大邱市はまた、31人目の女性感染者が60日間ほど大邱医療院に入院して治療費が3000万ウォンを超えるとして、この費用も求めることができるか法律を検討している。31人目の感染者が大邱にCOVID-19を広めて2カ月間で6800人ほどの感染者を発生させたスーパースプレッダーであるかどうかは依然として不透明だ。この女性は感染判定を受ける前に中国に行って来たこともなく、当時COVID-19に感染した他の感染者と濃厚接触をしていないことが分かった。大邱市のCOVID-19防疫を統括するキム・ジェドン大邱市保健福祉局長は「31人目の女性が他の人々を感染させたスーパースプレッダーなのか、もしくは他人にうつされたのかは、まだ調査が行われていない。疾病管理本部で具体的に調査中だと認識している」と述べた。