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“敵将”討ち取ったイ前首相、大統領選挙への地ならしなるか

登録:2020-04-16 06:44 修正:2020-04-16 07:35
「鐘路大戦」異変はなかった 
最初から優位を守り、余裕を持って当選…与党の次期大統領候補としての競争力示す 
「国家的災害の克服の重大さを感じ、国民の命令に従って責任を全うする」 
イ・ナギョン共に民主党候補が今月15日夜、ソウル鍾路区の選挙事務室で当選が確実視された後、渡された花束を両手に掲げている=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 異変はなかった。イ・ナギョン共に民主党常任選挙対策委員長(68)が15日、ソウル鍾路区(チョンノグ)の国会議員選挙で、ファン・ギョアン未来統合党代表を破って当選を決めた。イ委員長は同日夜10時30分基準(開票率65.66%)で58.2%を得票し、40.2%にとどまったファン代表を大きくリードした。大統領候補支持率で1位を走ってきた彼にとっては“有望な次期大統領候補”としてのイメージを広めるのに必要な壁を一つ乗り越えたわけだ。

 イ委員長は同日夜、鍾路区の選挙事務所で当選のあいさつを行い、「重大な責任を全身で感じる。国民の皆様が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がもたらした国家的災害を克服し、世界的な危機に対処する任務を政府与党に任せた。そのような国民の命令に従い、責任を全うする」と述べた。

 イ委員長にとって、今回の勝利は国会議員として当選回数を重ねること以上の意味を持つ。盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領や李明博(イ・ミョンバク)元大統領も経由した「政治1番地」のソウル鐘路で、大統領選候補支持率2位を守ってきた最大野党代表に大差をつけて勝利したことは、与党支持層に最も競争力のある大統領選カードであることを改めて強く認識させるきっかけになるからだ。

 選挙期間中、鐘路選挙区だけではなく、全国各地で支援遊説を行ったのも、彼にとっては重要な政治資産になるものと見られる。選挙期間中、各種世論調査でファン代表を余裕を持ってリードしたイ委員長は、京畿道や釜山(プサン)、慶尚南道、忠清南道、忠清北道、慶尚北道を回り、接戦地域の勢力図を変えるのに力を貸した。首都圏の競合地域のある選挙キャンプ関係者は、「全国的な認知度を誇るイ前首相が支援遊説を行ったのが、選挙のムードを変える上で大きな力になった。大きな借りができた」と述べた。

 イ委員長の次の目標は、共に民主党の党権レースになりそうだ。総選挙の結果次第では繰り上げられる可能性もあるが、8月に民主党全党大会が予定されている。2022年の大統領選挙を控え、党の看板が誰になるかがここで決まる。大統領選挙への道を確実なものにするために、党内勢力の構築が課題とされるイ委員長は、直接党代表に出馬するか、党内に友好勢力を作る機会として党大会を活用するものと見られる。イ委員長はすでに今回の総選挙を控え、全国各地に出馬した民主党候補約40人の後援会長を務めている。党内勢力の基盤が弱かったイ委員長に総選挙の際お世話になった候補者たちは、当選の有無にかかわらず、民主党内の“イ・ナギョン友好勢力”になる可能性が高い。

 党の熱烈支持層である親文在寅(ムン・ジェイン)勢力との関係をどう設定するかも課題だ。彼は、文在寅政府の初代首相に指名されるまでは、文大統領とあまり関りがなかった。しばらくの間、共に民主党内では「ソン・ハッキュ系」に分類された彼が首相に抜擢された背景には、全羅道の民心を掴みたい文大統領の狙いがあったとされる。しかし、文大統領から「国民から幅広い信望を受けているだけに、これからは自分の政治ができるよう、首相の任務から解放するのが道理と考えた」という評価を受け、最長期首相としての任務を終えた。

 問題は、次期大統領候補としての地位を固めるために独自の声をあげようとした場合、政権後半期に入った文大統領と政治的距離を置かざるを得ないことにある。親文勢力の“容認”の下、文大統領の後援を受け影響力を伸ばしてきたイ委員長にとっては、これまで経験したことのない政治的挑戦になる。

イ・ワン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/937225.html韓国語原文入力:2020-04-16 02:39
訳H.J

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