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[2020総選挙]「必ず投票」73%…さらに激しさ増す陣営対決

登録:2020-04-03 09:42 修正:2020-04-04 06:31
4・15総選挙D-12 
新型コロナの不安、衛星政党の「小細工」にも関わらず 
2008年の調査以来、投票の熱気は最高 
「チョ・グク事態以降の瑞草洞・光化門対決が 
総選挙の投票場に移っている… 
中道進歩・中道保守が勝敗を分ける」

第21代国会議員の選挙運動が始まった今月2日午後、ソウル鍾路区梨花洞で選管委の職員たちが選挙ポスターを貼っている=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡散で社会的不安が大きくなっている状況にもかかわらず、有権者の投票参加の意志が上昇するという奇現象が起きている。昨年のチョ・グク事態を経て深まった陣営間の対決構図がCOVID-19の時局の中でも解消されていないことを裏付けている。今の熱気が投票日まで続けば、今月15日に行われる第21代総選挙の投票率は、4年前の第20代総選挙の投票率を軽く超えるものとみられる。

 中央選挙管理委員会が2日に公開した「国会議員選挙への関心度および投票参加意向に関する世論調査」の結果を見ると、今回の総選挙で「必ず投票する」という有権者は72.7%に達した。2016年の総選挙直前の調査より一際高い数値だ。4年前には同じ回答の割合が63.9%にとどまった。この流れのままなら、この20年間で最も高い投票率を記録した第17代総選挙の投票率(60.6%)を上回る可能性もある。「COVID-19への恐怖」と巨大両党の「小細工」衛星政党結成などに対する失望で総選挙投票の意志が弱まるだろうという一般的な予想を完璧に上回る結果だ。

 歴代総選挙の投票率を見ると、選挙直前に調査された積極的に投票するという意向の層の割合と流れを同じくした。総選挙の投票率は、投票意向層が51.9%にとどまった第18代総選挙(08年)では46.1%にとどまったが、投票意向層が56.9%に上昇した第19代総選挙(12年)では54.2%に跳ね上がり、投票意向層が63.9%に上昇した第20代総選挙では58.0%まで上がった。調査を行った韓国ギャロップのチャン・ドクヒョン研究委員は、「積極的な投票意向が高いほど、実際の投票率が高かった。今回の調査はCOVID-19という災難状況の中でも政治に対する熱い関心が続いていることを示している」と述べた。

 注目すべきことは、与党の支持が強い30~40世代と野党支持が著しい50~60世代いずれも高い投票意志を見せたという点だ。このような流れが現実化するなら、今回の総選挙は鋭い陣営対決構図で行われる公算が大きい。昨年のチョ・グク事態以降、深まった社会・政治的亀裂が相手の政治勢力に対する「審判投票」の形で表れる可能性が高いということだ。シン・ジヌク中央大学教授は「政治が極端に両極化した結果」だとし「昨年のチョ・グク事態以後、光化門(クァンファムン、主に保守勢力の集会が行われた場所)と瑞草洞(ソチョドン、主に進歩勢力の集会が行われた場所)で行われた勢力対決が投票場の票対決に移るようだ。結局、世代別投票率で今回の総選挙の勝敗が分かれるだろう」と見通した。

 巨大両党は、今回の調査結果を各自に有利な方向に解釈した。共に民主党の関係者は「保守性向の強い高年層の投票率は常に高かった。今回の調査で注目すべきことは、若年層の投票の意志が高いということだ。わが党には確実に良い信号だ」と述べた。未来統合党は正反対に解釈した。統合党の関係者は「高年層の投票率が大きく落ちれば、競合地域が倒れる可能性がある状況だ。COVID-19の非常時局にもかかわらず高年層の投票意志が高いのは肯定的な指標」だと述べた。

 投票率の上昇がどの陣営に有利なのかを単線的に予測するのはまだ早いという指摘も少なくない。投票率が高ければ、中道層の投票参加も増えるためだ。韓国ギャロップのチャン・ドクヒョン研究委員は「全世代にわたって積極的に投票する意志が高いというのは、各陣営の積極的な支持層に加え、中道層も投票への関心が高まったことを意味する」と語った。政治コンサルティング「ミン」のパク・ソンミン代表は「今回の総選挙は民主党が中道進歩派を、未来統合党が中道保守派をどれほど投票場に引き出すかによって勝負が決まる」と見通した。留意すべき点は、有権者の投票の意志が実際の投票行為につながるまでには、少なからぬ変化要因が介入するという点だ。COVID-19に対する恐怖と自宅隔離者の増加傾向が続けば、感染病に脆弱な高年層の投票率は否定的な影響を受けざるを得ない。世代別の投票の意向が実際の投票につながる割合にはばらつきがあるという点にも留意しなければならない。ソウル大学のパク・ジョンヒ国際政治データセンター長は「2018年の地方選挙当時、年齢別投票意向調査の結果と実際の投票率を比較すると、30~50代では格差が大きかった。投票意向数値より投票率が最も低かった年齢層は30代」だとした。30代は40代とともに民主党支持が最も多い年齢層だ。

キム・ウォンチョル、キム・ミナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/935477.html韓国語原文入力:2020-04-03 07:26
訳C.M