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死亡被害の最少化のため…「症状のない高危険群にも薬投与」を勧告

登録:2020-03-13 01:59 修正:2020-03-13 07:17
大韓感染学会など4団体が勧告
ソウル江南区は新型コロナ拡散防止のため先月から管内の多重利用施設を防疫消毒している=ソウル江南区提供//ハンギョレ新聞社

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による死亡被害を減らすため、高齢層や基礎疾患を持つ人などの高危険群には、感染判定を受けていなくても予防の観点から抗ウイルス薬投与などの薬物治療を受けさせようという提案が医学界から出された。防疫当局もこのような趣旨の対策を検討すると明らかにした。

 12日、大韓感染学会、大韓抗菌療法学会、大韓小児感染学会、大韓結核および呼吸器学会の4団体は「COVID-19薬物治療に関する専門家勧告案」を発表し、「療養所、療養病院、高齢者施設などで(COVID-19患者に)暴露した場合、先制的または暴露後に抗ウイルス薬の予防的投与を考慮」しようと提案した。これらの施設にいる患者は普段から似たような症状があり、COVID-19の症状の有無を判断しにくい上、 COVID-19が発症したら重症になる可能性が高い高危険群だ。そのため、診断検査を通じてCOVID-19の陽性判定を受けていなくても、先制的、予防的観点から薬物投与を可能にし、死亡被害を減らそうというのだ。

 また勧告案は「家族間や職場、多重利用施設、医療機関でCOVID-19患者と接触した人にも抗ウイルス薬の予防的投与」が必要だと提案した。感染発生率が高く集団発生が予想され、さらに高危険群に伝播する危険がある場合だ。ただ「抗ウイルス薬として効果があり、治療薬として勧告される薬剤のうち副作用が少なく、安定性が確保された薬剤で試すことができる」と付け加えた。

 防疫当局もこうした勧告内容に言及し、「予防的な抗ウイルス薬の投与などが反映されるよう、治療指針の改正を検討する」という意向をこの日明らかにした。中央防疫対策本部のクォン・ジュヌク副本部長はこの日の定例ブリーフィングで「死者が少しずつ増えているため、専門家が提案した内容を早急に議論し、必要な場合は適用できるようにしたい」と述べた。

 COVID-19にはまだ確立された標準的な治療方法がない。これまでは、「確定患者のうち肺炎を伴うなどの重症度を示したり、臨床経過が悪化していく患者、重症となるリスクの高い患者(高齢者、慢性疾患を持つ人、免疫力の低下した人など)」に対して、担当医療陣の判断により適切な抗ウイルス薬を投与している。

チェ・ウォンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/932333.html韓国語原文入力:2020-03-12 16:47
訳D.K

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