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高危険群の死亡、どう防ぐ…「高齢者、基礎疾患者の優先検査を」

登録:2020-03-02 01:12 修正:2020-03-02 07:21
入院中の2人を含め、1日で3人死亡 
高齢で脳梗塞などの持病 
大邱新天地信者の全数調査に集中で 
「一般人の検査は後回し」主張も 
専門家「高危険群の症状見られる患者優先を」
1日、大邱市北区鶴亭洞の勤労福祉公団大邱病院でCOVID-19の治療に当たる医療陣があわただしく動いている。疾病管理本部によると、29日に大邱と周辺の複数の病院に165人を入院させたものの、依然として病床が足りず自宅で入院待機中の患者が増えている//ハンギョレ新聞社

 高齢者や基礎疾患のある人などの高危険群に属する新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者が相次いで死亡している。1日には大邱(テグ)で3人のCOVID-19感染者が死亡したが、いずれも高齢か、高血圧などを患っていたことが確認された。政府が高危険群を中心とする治療対策を立てた中、診断検査の段階から高危険群に属する症状の見られる人を優先すべきだという指摘が出ている。

 1日、中央防疫対策本部(防対本)はCOVID-19の患者のうち、漆谷(チルゴク)慶北大学病院で入院治療を受けていたAさん(80、男性)と、大邱カトリック大学病院に移送されたBさん(86、女性)が同日午後に亡くなったと発表した。二人とも高血圧などの基礎疾患を患っていた高齢者だ。28日に陽性判定を受けてただちに入院したAさんとは違い、Bさんは病床不足のため、自宅で入院を待っていたことが分かった。同日午前にも、COVID-19に感染して慶北大学病院で入院治療中だった83歳の男性が死亡している。この男性も脳梗塞や高血圧、糖尿などの基礎疾患を患っていたという。

 このような中、地域の確定患者の70%以上が新天地大邱教会関係者と推定されている大邱市では、同教会の信者全員に対する診断検査に地域医療資源が集中しているため、COVID-19に対して最も脆弱な基礎疾患を持つ人などは、症状が現れても適時に検査を受けられずにいるという主張がなされている。28日に大邱で自宅隔離中に死亡した14人目の死亡者(70、女性)の遺族は、メディアとのインタビューで「25日に母親の咳や筋肉痛などの症状が悪化したため保健所に連絡したが、中国を訪問しておらず、確定感染者との接触もなく、新天地の信徒でもないので、検査は難しいという返事だった」とし、「(死亡前日の)27日に熱が38.5度まで上がり、保健所を再び訪れた時に大邱医療院に行けとの案内を受けた」と語った。糖尿、高血圧、高脂血症を患っていたこの患者は、28日未明に呼吸困難で、大邱カトリック大学病院到着の1時間後に死亡した。その後、その日の午前にようやく陽性判定を受けた。

 これについて保健当局の関係者は「新天地大邱教会の信徒の全数調査によって、新天地に連なる青年層の無症状者の診断検査における優先順位が高くなった面がなくはない」とし「(限定された医療資源を考慮すると)基礎疾患がなく年齢の低い無症状者まで優先的に検査をすべきか再検討する必要がある」と述べた。

 専門家は、症状の見られる人の80%は、入院治療の必要性が低い軽症患者と推定されるため、診断検査段階から高危険群中心の診療戦略を取るべきと提案した。新型感染症中央臨床委員会のオ・ミョンドン委員長(ソウル大学医科大学感染内科教授)は同日、同委員会の記者会見で「新天地の信徒のうち、3~4週間前に感染した人はすでに潜伏期が過ぎて回復し感染力がないため、彼らを全数調査して何が期待できるのかという問題がある」とし、「これ(全数調査)のために効率的な医療資源の利用が阻害されている。(今は)高危険群中心の診療戦略を取るべき時だ」と説明した。国立中央医療院のチョン・ギヒョン院長も「25日に対策を発表した日本の場合、検査は入院を要するほどの肺炎が見られる患者を治療する目的で行うという方針を立てている」と語った。

ソン・ダムン、パク・スジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/930591.html韓国語原文入力:2020-03-01 22:18
訳D.K

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