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韓国政府、湖北省への渡航歴ある外国人の入国を禁止

登録:2020-02-03 06:41 修正:2020-02-03 12:02
湖北省から入ってきた韓国国民には 
14日間の自宅隔離を義務化 
 
すでに封鎖された地域だけを対象にし、実効性を疑う声も 
「拡散の程度によって追加措置」 
 
済州、「ノービザ入国」を一時中止 
中国人に対する観光ビザの発給中止も検討
文在寅大統領が今月2日午後、大統領府与民館で新型コロナウイルスと関連し感染病専門家との懇談会を行っている=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 韓国政府が4日から中国の湖北省を14日以内に訪問したか、滞在したことのある外国人の入国を全面禁止することにした。また、済州地域の訪問者に対するノービザ入国制度を一時中止し、中国から観光目的で入国するために必要な短期ビザの発給についても、中止を検討する計画だ。同日の対策は湖北省を訪問したか、滞在した外国人に対する入国禁止を中心としているが、事実上封鎖されている湖北省だけを制限した政府の措置をめぐり、実効性に関する議論が予想される。

 新型コロナウイルス感染症に中央事故収拾本部は2日、チョン・セギュン首相主宰で対応会議を開き、このような内容を含む今後の対策を発表した。湖北省を14日以内に訪問したか、滞在したことがあるすべての外国人の入国が禁止される一方、韓国国民の場合、入国を認められるものの、14日間の自宅隔離を義務化することにした。今回の措置は、日本が取った入国制限措置と類似したレベルだ。また、特別入国手続きを新たに設け、中国専用の入国ゲートを別途設け、中国から入国する外国人と帰国者全員の国内住所・滞在先と連絡先を確認する計画だ。

新型コロナウイルス感染者の詳しい現況//ハンギョレ新聞社

 湖北省滞在者に限定したとは言え、政府が中国人に対する入国禁止措置を取ったのは初めてだ。しかし、一方では、新型コロナウイルスがすでに中国全域に拡散した状態で、中国の特定の地域に滞在している人のみを対象にした今回の対策の実効性について疑問の声もあがっている。大統領府高官はこうした懸念を意識し、「今後、新型コロナウイルスの拡散程度に応じて迅速に追加措置を検討」すると述べた。状況によって入国禁止対象地域を中国全域に拡大する可能性もあることを示唆したのだ。

 中国から入国する外国人にビザなしで入国を許可する済州道(チェジュド)のノービザ入国制度も一時中止される。昨年にこの制度を通じて韓国を訪れた外国人の98%が中国人だ。韓国国民の中国旅行も制限される。政府は中国全域の旅行警報を現在の「旅行自制」段階から「撤退勧告」段階に格上げすることを検討している。

 地域社会への感染拡散を防ぐための対策も強化すると、中央事故収拾本部は発表した。これからは濃厚接触者と非濃厚接触者に区分せず、感染が確認された患者と接触した人全員を14日間自宅隔離することにした。これに協力しない場合、300万ウォン(約27万円)以下の罰金などの罰則が課せられる。また、従来は湖北省の他に中国の他の地域から入国した人は、肺炎と診断されない限り、検査が不可能だったが、今後は発熱・咳など症状が現れただけでも検査を受けられるようになる。

 この他にも事業所や保育園、産後ケア施設などの集団施設勤務者が中国に行ってきた場合、14日間業務から排除される。また、国内で勉強する中国人留学生が多いことを考慮し、始業日程の延期を検討する一方、入国が難しい中国人留学生を対象にしたオンライン授業なども行う予定だ。

 中央事故収拾本部は危機警報の段階を現在の「警戒」段階で維持するものの、最高段階の「深刻」段階に準じて総力をあげて対応をする方針だ。感染病危機警報における「深刻」段階は、新型感染病が地域社会に広まったり、全国に広まった時に発動される。

パク・ダヘ、ソン・ヨンチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/926625.html韓国語原文入力:2020-02-02 22:12
訳H.J

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