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人権委「陸軍は性転換した副士官の転役審査を3カ月延期せよ」

登録:2020-01-22 02:33 修正:2020-01-22 10:49
国家人権委法に基づき緊急救済決定 
「22日の転役審査で退役が決定されれば、回復しがたい被害発生」
心身障害3級//ハンギョレ新聞社

 国家人権委員会(人権委)は21日、陸軍参謀総長に対し、軍服務中に女性への性転換手術を受けた陸軍副士官(下士官の意)についての転役審査委員会の開催を延期するよう求める緊急救済勧告を決定したと発表した。

 人権委はこの日、「20日に受け付けた、軍服務中に性転換手術を受けた副士官についての転役審査委員会の開催延期を要請する緊急救済事件について、国家人権委員会法に基づいて緊急救済を勧告することを決定した」とし、「陸軍参謀総長に対し、22日に予定される転役審査委員会を、人権侵害および差別行為に対する調査規制規則に基づく3カ月の調査期限以降に延期することを勧告した」と明らかにした。

 救済を求めたA下士(副士官の最も下の階級)は、裁判所での性別訂正手続きが完了してから転役審査委を開くことを要請したが、軍はこれを差し戻した。A下士は昨年の休暇期間中にタイで性転換手術を受け、復帰後も女性軍人として服務したいという考えを明らかにしている。A下士は、部隊への復帰後に受けた義務調査で「心身障害3級」判定を受け、転役審査委員会に付された。軍人権センターは20日に人権委に緊急救済を申請した。

 人権委は今回の緊急救済について「現役として服務中の性転換者についての個別の法律や前例がなく、性転換手術行為を身体障害と判断し転役審査委員会に付したのは差別行為の可能性などがあるため、1月22日に開催される転役審査委員会で転役(ここでは退役のこと)が決定された場合、回復しがたい被害が発生するおそれがある」と説明した。

 軍人権センターはこの日、人権委の緊急救済決定を歓迎する論評を発表し、「韓国軍は、男性器がないことを名分にトランスジェンダーの女性を組織から追い出すという恥ずべき歴史を残さないでほしい」と述べた。

カン・ジェグ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/925305.html韓国語原文入力:2020-01-21 18:44
訳D.K

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