五十肩の症状などで肩の手術を受けた後、長期入院して特別恩恵問題が論議になった朴槿恵(パク・クネ)前大統領が、78日間の入院の末3日に退院し、拘置所に再収監された。
法務部は同日午後、「9月16日にソウル瑞草区(ソチョグ)のソウル聖母病院に入院して治療中だった朴前大統領に対する担当専門医の所見などを考慮し、退院後、もともと収容中だったソウル拘置所に収監した」と発表した。朴前大統領は同日午後、ソウル地方矯正庁の護送車に乗ってソウル拘置所に移動した。朴前大統領は退院後、通院治療を受けるものとみられる。
朴前大統領は今年9月に入院し、回旋筋周りの靭帯断裂と五十肩の症状に対する手術を受けた。手術後、2~3カ月間のリハビリが必要であるという処方を受け、2カ月半ほど入院していた。
これについて、特恵入院ではないかという議論が起こった。「刑執行及び収容者の処遇に関する法律」によると、収監者も外部診療を受けることはできるが、朴前大統領の場合、症状に比べて入院期間が異様に長いという批判の声が高まった。最近10年間の収容者のうち朴前大統領と同じ症状で1カ月以上入院した事例はないためだ。
長期間入院する収容者は通常、検察から刑執行停止の許可を受けるが、朴前大統領は刑執行停止の許可を受けることができなかった。刑事訴訟法は、「健康を著しく害したり、生命を保全できない恐れがある場合」などに限り、刑の執行を停止できると定めている。ソウル中央地検は、刑執行停止審議委員会を二回開き、いずれも朴前大統領の状態がこれに該当しないと判断した。
朴前大統領が入院した病室が1日100万ウォン(約9万円)以上の高級病棟で、朴前大統領の入院によって拘置所の職員9人が3交代で病院に常駐した点なども、特恵の議論を増大させた。病室の入院費用は朴前大統領が自費で支払った。
現在、朴前大統領の確定の量刑は、セヌリ党(現自由韓国党)の公認介入事件による懲役2年だ。国政壟断事件の控訴審で懲役25年の判決を受け、破棄差戻し審が行われている。国家情報院の特殊活動費を受け取ったという容疑については控訴審で懲役5年を言い渡されたが、最高裁判所(大法院)が2審の一部無罪の判断を破棄した。このため、朴前大統領の量刑はさらに長くなる可能性が高い。2017年3月31日にソウル拘置所に収監された朴前大統領は同日まで約2年5カ月間にわたり収監されてきた。