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"韓国政府が直接‘日帝戦後補償’メッセージ送らなければ"

原文入力:2009-11-10午前09:11:39
←有光 健戦後補償ネットワーク代表インタビュー/キム・ヒョスン論説委員

日本の政権交替でますます忙しくなった有光 健戦後補償ネットワーク代表はこの頃自転車に乗り議事堂に行き、立法ロビー活動をすることが日課になった。東京/キム・ヒョスン論説委員

去る8月末に行われた総選挙を通じて日本で政権交替がなされ、対外政策に変化の風が起こっている。鳩山由紀夫総理が導く新内閣は、駐日米軍基地移転問題やテロとの戦争参加方式などで従来の自民党政権とは異なる接近方法をとっている。この間びくともしなかった植民地支配と侵略戦争の被害者補償問題でも果たして変化が起きるだろうか? 20年近く戦後補償問題に専念してきた有光 健戦後補償ネットワーク代表に去る2日東京で会い、どのような動きがあるのか聞いてみた。

公式席上で話を出せば
日本も具体的な答弁をする

-最近韓国人慰安婦ハルモニ(高齢の婦人)が訪日し鳩山総理の面談を要請し、過去問題の解決を促したが、新政権がどんな構想を持って対応をするのかがよく見えない。

"2つの問題がある。1つは民主党が総選挙時のマニフェストで最優先課題として掲げた沖縄普天間基地移転問題や高齢者医療,教育などに没頭しなければならない事情がある。これは来年度予算編成問題と直結する。もう1つは各部署にまたがる戦後補償問題を誰が責任をとり扱うべきか、まだ体制が整備されていないためだ。"

-総括する機関が決まっていないという話なのか?

"私たちは菅直人副総理の傘下に構成される国家戦略局で過去史や戦後補償問題を一括的に扱うべきだと考える。だが、国家戦略局はまだスタートしてもいない。来年1月に招集される定期国会序盤に関連法案が処理されて初めて副長官・政務官など人的陣容が揃い予算が確保される。国家戦略局の役割と権限をどのようにするか、民主党内の内部議論が進行中であり主導権争いの性格も帯びていてまだ明確でない。"

-政策の優先順位で戦後補償が大きく後ろに押されているのではないか?

"最優先順位ではもちろんないが、二番目の対象には入っている。対象者が皆高齢であり早くしなければ意味がないので来年春から夏にかけて本格的に扱わなければならない課題と考える。"

国家戦略局がスタートしてこそ補償議論など具体化

-韓国政府は鳩山政府を刺激しない方が良いとし、過去の問題に対する言及を回避しているが?

“去る10月上旬にソウルで行われた韓-日首脳会談では議論されなかった。会談後の記者会見で韓国記者の質問が出てくるや、鳩山総理は村山談話は重要な考えだが、国民皆の理解を得るためにはちょっと時間がかかると話した。時間をくれと言ったわけだ。だが韓国当局では議論をしなければならない。先月末に訪日したヤン・ペーター・バルケネンデ オランダ総理は首脳会談で戦争被害者問題を話し、麻生政権の時に来たオランダ外相も慰安婦問題を提起した。公式席上で話をしてこそ日本も具体的返答をすることになる。軍隊慰安婦,サハリン残留,B・C級戦犯など1965年の韓日協定締結の時に抜け落ちた問題は必ず大統領ではなくても総理や外相が挙論しなければならない。最近、駐日韓国大使館から職員研修講演の依頼を受けて‘遠慮なく直球を投げなさい’と話したことがある。明成皇后葬儀の儀軌を返してくれと僧侶たちがきて運動を行ったりするが、民間次元の活動も意味があるが外交通路を通じて明らかなメッセージを送ることが重要だ。”

-社会党党首が総理を引き受けた村山内閣では慰安婦問題に対してアジア女性基金という不明瞭な方式で解決しようとしたが民主党政権でもこういう方式が繰り返される可能性はないか?

“鳩山政権は以前の細川政権や村山政権で過去史整理がなぜ失敗したのか教訓を見ている。1993年8月に細川政権が発足した時、<毎日新聞> 1面トップ記事で‘戦後補償基金1兆円構想’という報道があった。この構想は1週間も経たずに消えてしまった。後日、連立政権が終わった後、当時官房副長官だった鳩山がその構想が自身の提案だったと認めた。細川政権は多様な政治勢力が何の準備もなしに集まって発足したものだから、結局官僚の抵抗に押されたということが鳩山の頭の中に残っている。

また村山政権は総理が社会党出身だが、自民党に背負われて作られた弱体政府だった。それとは違い戦後補償問題は総選挙時の民主党マニフェストではないが政策に入っている。細川内閣時は1兆円が必要だと見たが、私たちは5兆円計上を要求している。それで5兆円をどこから確保するかの問題が出てくる。来年度予算を3月末までに通過させなければならないが、そのような作業を経なければ輪郭が出てこない。政権内部で十分に戦略を立て、財務省との協議を経て特別会計を作るという計画が用意されなければ発表することはできない。数年かけて執行される懸案だとしても開始段階で最小限5000億円程度は確保しなければならない。それで来年の景気回復も大きい心配事となる。”

←去る2月末、ソウル国会図書館で開かれたシベリア抑留者資料展開幕式で有光 健(前列右端から3番目)が韓国と日本人のかつての抑留者らと共にテープを切っている。 民族問題研究所提供

‘村山談話’越える談話 鳩山,来年8月明らかにしなければ

-日本国内右翼保守団体の抵抗反発が予想されるが大きな憂慮はないか?

“もちろんある。日本会議という保守団体の結集組織がある。国旗国家法制定,靖国代替施設準備反対など保守主義の立場で国民運動を行う組織だ。総選挙前にこの団体に加入した議員は183人だった。民主党もいたが大部分は自民党議員らだった。今は加入議員が86人と大幅に減った。総選挙を通じて抵抗勢力が淘汰されたわけだ。民主党は既に衆議院で圧倒的多数を占めている。戦後補償と共に夫婦別姓,地方参政権など改革課題は事前にやりますとトーンを高めるのでなく態勢が取りそろった時にあっという間に片づける方式になるだろう。”

-去る総選挙で大挙当選した民主党新人議員らは過去史に対して理解があるのか?

“弱い方だ。問題意識が投入されていない状態で当選したので、初当選議員らに対する教育が必要だ。私たちももちろんだが、この間民主党で過去の問題に関わってきた議員らが教育させなければならない。それももう少し時間がかかる要因の一つだ。”

-戦後補償に対する立法措置に入るならば順序はどうなるのか。やはり日本人シベリア抑留者法案が先か?

“そうするだろう。次にB・C級戦犯法案,韓国人など外国人シベリア抑留者支援法案の順序になると思う。そのあとに慰安婦,中国人強制連行者問題などが扱われるだろう。”

-朝鮮強制併合100年をむかえる来年に天皇訪韓の可能性はどのように見るか。天皇が明成皇后陵に参拝し歴史的和解を成し遂げようという提案もあったが?

“それをしようとすれば水底で綿密に準備して電撃的に行わなくてはいけない。韓国側の提案で動くものは受け入れにくい。天皇が1992年に訪中した時、中国政府は全てのことを統制したが、韓国は自由な社会なので統制できないだろう。そのような状況で日本政府や宮内庁が決断することは難しい。”

-強制併合100年を控え日本の市民運動陣営に具体的な動きがあるか?

“いくつかの団体が動いているが大きな流れにはなっていない。一般の関心事は北朝鮮の核や拉致問題が補償問題よりはるかに大きいから、それが解消されなければ少し難しいだろう。北も植民地支配されたが、そこを除いてすることもできないではないか。鳩山総理が来年8月に村山談話を越える談話をすることが重要だ。村山談話以後、去る14年間何の進展もなかった。”

キム・ヒョスン論説委員hyoskim@hani.co.kr

■有光 健は誰

1990年代初めから20年近く補償運動に関わってきた代表的活動家だ。民主党重鎮議員を含め政界に顔が広く立法ロビー活動に強い。1951年生まれで早稲田大政治学科を出て、現在は戦後補償ネットワーク代表,戦後処理立法を要求する法律家有識者の集い幹事,シベリア抑留者支援センター代表などを受け持っている。補償運動に出る前にはアジア人権基金事務局長として難民・少数民族支援活動を行った。

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/386801.html 訳J.S