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「トラクターで闘争開始」…WTO発展途上国放棄に怒る農民

登録:2019-11-12 01:43 修正:2019-11-12 07:48
全羅南道7市・郡はじめ、慶尚南道、忠清北道、ソウルも参加 
「祝われるべき農業人の日が葬式になってしまった」
全羅南道霊光で11日、トラクター闘争に参加するトラクター10台あまりが旗を掲げて街を行進している=全国農民会総連盟光州全南連盟提供//ハンギョレ新聞社

 11日午前11時、全羅南道羅州市(ナジュシ)松月洞(ソンウォルドン)の市役所前。農民50人あまりが降ったりやんだりの秋雨の中、大型トラクターを2台止めた。彼らはトラクターのアームの上に「世界貿易機関(WTO)発展途上国地位放棄方針撤回」「一方的なコメ目標価格廃止反対」という横断幕を高く掲げた。さらに、「祝われるべき農業者の日が葬式になってしまい、立ち上がらざるを得なかった」と隊列を作った。

 羅州農民会、羅州農村指導者会、羅州農業会議所などはこの日、集会を開き、政府のWTO発展途上国地位放棄とコメ目標価格の廃止に抗議した。彼らは会見文で「農家所得は20年前と同じで、農家所得のうち農業所得が占める割合は28%に過ぎない。不在地主が農地の52%を所有し、農民の60%は小作農に転落しているのが韓国農業の現実」と嘆いた。羅州農民会のキム・ヨソプ事務局長は「このような状況にもかかわらず、発展途上国の地位を放棄し、農業を崖っぷちに追い込んだ。政府が提示した公益型直接支給制はコメ農業を萎縮させるだけで、対策にはならない」と強調した。

 WTO発展途上国地位放棄に抗議する農民の怒りが全国各地に広がっている。農民はソウル、全羅南道、慶尚南道、忠清北道などで「いつまで農業は経済のスケープゴートでなければならないのか、いつまで農民は政府に裏切られてばかりいなければならないのか」と叫んだ。

全羅南道羅州では11日、農民50人あまりがトラクター2台を羅州市役所前に止め、抗議集会を開いた=アン・グァノク記者//ハンギョレ新聞社

 全羅南道ではこの日、羅州、康津(カンジン)、海南(へナム)、順天(スンチョン)、霊光(ヨングァン)、霊岩(ヨンアム)、潭陽(タミャン)の7市・郡で農民40~70人が参加するトラクター闘争が繰り広げられた。康津ではトラクター40台あまりと貨物車20台あまり、農民70人あまりが参加した。順天では農機45台、栄光では農機16台がそれぞれ繰り出した。この闘争は12日光州(クァンジュ)、13日和順(ファスン)、15日長興(チャンフン)へと続く。

 慶尚南道と忠清北道でも農民が農民闘争宣布式を行い「農業と地域は消滅しつつある。文在寅(ムン・ジェイン)政権のWTO農業分野途上国地位放棄宣言は無効」と主張した。「農民の道」などの農民団体の会員たちも同日、ソウル鍾路区(チョンノグ)の大統領府噴水前でWTO発展途上国地位放棄の撤回を求めた。

 彼らは今後、村ごとに座談会を開き、WTO発展途上国地位放棄後の農業の将来について討論することにしている。そして今月30日にはソウル汝矣島(ヨイド)で全国農民大会を開き、農民の意志を示す予定だ。全国農民会総連盟光州全南連盟のキム・ソンボ事務処長は「トラクターで闘争を開始した。ソウル汝矣島で政府と決着を付けようと思う」と述べた。

アン・グァノク、チェ・サンウォン、オ・ユンジュ記者

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/area/honam/916557.html韓国語原文入力:2019-11-11 15:44
訳D.K

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