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米外交責任者らが同時訪韓…防衛費・GSOMIAに向けた圧力を予告

登録:2019-11-06 08:19 修正:2019-11-06 08:54
ディハート首席代表が異例の訪韓 
世論悪化の中で国会、マスコミ関係者などと面会予定 
 
スティルウェル次官補も訪韓 
GSOMIAの延長、韓国政府に圧力かける見込み
ジェームズ・ディハート米国防衛費交渉代表が今月5日午後、仁川国際空港を通じて入国し、取材陣の質問を受けている//ハンギョレ新聞社

 韓国の在韓米軍防衛費分担金の大幅増額と韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の延長を求める米国の“全面攻勢”が続いている。

 ジェームズ・ディハート韓米防衛費分担金交渉米国首席代表が5日、異例的に非公式訪韓した。今月中にソウルで開かれる第11次韓米防衛費分担金特別協定(SMA)交渉の第3回会議とは別に、7日まで訪韓するディハート代表は、チョン・ウンボ韓国側首席代表との非公式晩餐のほかに、国会やマスコミ、在韓米軍の関係者らと面会する予定だ。

 米国側の交渉代表が交渉とは別に訪韓し、韓国内の世論を探るのは極めて異例のことだ。米国が今年韓国が負担する防衛費分担金1兆389億ウォンのほぼ6倍に達する50億ドルの分担金を要求すると予想され、韓国の世論の反感が高まる中、直接韓国の動向を把握して米国の立場を伝えるために訪韓したものと見られる。

 ディハート代表の訪韓日程は、米国務省のスティルウェル東アジア太平洋担当次官補の訪韓日程とも重なる。5日にソウルに到着したスティルウェル次官補も韓国当局者らと会い、防衛費分担金とGSOMIAの延長に対する米国側の立場を明らかにするものとみられる。スティルウェル次官補は同日午後、仁川国際空港に到着し、「韓国政府との生産的な会談を通じて、(韓米)同盟がこの地域の平和と安保の礎石であることを再確認することを期待する」と述べた。スティルウェル次官補は6日午前、カン・ギョンファ外交部長官、チョ・セヨン外交1次官などと面会し、さらに大統領府国家安保室関係者とチョン・ソクファン国防部国防政策室長にもそれぞれ会う予定だという。

 韓国側は4日、タイ・バンコクで行われた文在寅(ムン・ジェイン)大統領と安倍晋三首相の11分間の歓談をはじめ、韓日関係改善に向けた韓国政府の努力を説明すると共に、米国も韓日問題の解決に向けて役割を果たすことを要請するものとみられる。

 しかし、米国は「韓日間の対立は両国が解決しなければならない」という原則的立場を表明するだけで、今月23日0時に公式終了となるGSOMIAの延長を求め、韓国に圧力をかけている。スティルウェル次官補は先月26日、東京で「我々は韓国側にこの協定(GSOMIA)に戻って来るよう促す。米国と日本、そして韓国にとっても有益であるからだ」と述べた。さらに、マーク・ナッパー米国務省韓日担当副次官補やジョセフ・ヤング駐日臨時代理大使も最近、日本のメディアを通じ、「GSOMIAの終了で喜ぶのは北京やモスクワ、平壌だ」としたうえで、「GSOMIAの終了は米国に悪影響を及ぼす」などと発言した。

 外交当局者は「日本のマスコミなどを通じて出た(米国高官の)発言は、少し強い面があるようだ」と述べた。韓国は、日本が韓国最高裁判所(大法院)の強制徴用賠償判決に対する報復として取った輸出規制強化措置を先に撤回しない限り、GSOMIAの終了決定を見直せないという立場だ。

 最近、韓国内では保守系メディアや政界を中心に「韓米同盟危機説」を主張し、防衛費の大幅な引き上げやGSOMIAの延長など米国の要求を受け入れなければ、在韓米軍の撤退につながりかねないという声もあがっている。国家安保戦略研究院のチョ・ソンニョル諮問研究委員は、「米国内ではトランプ大統領の一方主義と同盟管理問題を批判する声が広がっているのに、韓国内でむしろ『韓米同盟危機説』を拡散させ、韓国だけに譲歩を求める声が高まっているのは問題だ」とし、「米国は当局者、専門家が防衛費やGSOMIAと関連した韓国内の世論を利用するため、あらゆる方向から働きかけている。韓国の政界も米国の不当な要求には積極的に声を上げるべきだ」と述べた。

キム・ソヨン、パク・ミンヒ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/915934.html韓国語原文入力:2019-11-06 02:01
訳H.J

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