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ソウル市、青年手当の対象者を5倍に拡大…月20万ウォンの「青年家賃」も新設

登録:2019-10-23 21:29 修正:2019-10-24 06:51
「作家志望だったが、生計のために日雇い労働 
青年手当もらって執筆をはじめ、来月に出版」 
朴市長「青年手当、ポピュリズムではなくリアリズム」 
「青年手当の拡大は『基本所得』議論の始まり」
朴元淳ソウル市長が今月23日、ソウル中区ソウル市青年雇用センターで開かれた「青年の出発支援のためのソウル市政策タウンホールミーティング」に出席し、青年手当ての拡大など青年支援政策を発表した=チェ・ユンテ記者//ハンギョレ新聞社

 チョ・ギョンヒョンさん(27)は作家志望だったが、経済的に余裕がなかった。建設現場の日雇い労働を転々とし、日当9万8千ウォン(約9千円)で日々を繋いだ。そのため、書く時間が全く取れなかった。チョさんは昨年下半期、ソウル市青年手当てを申請し、6カ月間にわたり月50万ウォン(約4万6千円)の支給を受けた。豊かではなかったが、日雇い労働をやめて執筆に専念できた。チョさんの著書は来月11月出版される。

 23日、チョさんをはじめとするソウル市青年手当ての受給者たちがソウル中区(チュング)ソウル市青年雇用センターで開かれた「青年の出発支援のためのソウル市政策タウンホールミーティング」で自分の経験を語った。チョさんのように夢をかなえた人もいれば、心の健康を取り戻した人たちもいた。今年上半期に青年手当てを支給されたナ・ヨレさん(25)は「青年手当てをもらう前には進路に対する不安が大きく、精神的に参った状態だった。日常生活が苦しく、相談治療だけでなく、回復する時間が必要な状況だった」とし、「青年手当てをもらって関連プログラムに参加し、かなり助けられた。今は精神的にも非常に安定している」と語った。

 ソウル市が4年間の青年手当ての成果を根拠に、若者に対する直接支援を大幅に増やすことにした。まず、月50万ウォンを直接支給する「青年手当て」の対象者を5倍以上増やし、これから3年間、10万人に支給することにした。これまでは年間6500人前後の若者たちが手当てをもらえたが、これからは基本要件(19~34歳の未就業・最終学歴卒業(修了)後2年以上未就業など)を満たす若者は誰でも青年手当ての支給対象になる。

 若者の住居負担緩和のための支援対策も打ち出した。ソウル市は若者1人世帯に月20万ウォンの家賃(賃貸料)を最大1カ月間支援する「青年家賃」を新たに始める。来年5千人を皮切りに、2021と2022年にはそれぞれ2万人を支援する計画だ。ソウル市は2020年青年手当てと青年住居費支援の予算として1112億ウォン(約103億円)を編成し、市議会に提出する予定だ。

 朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長は、青年手当ての拡大が「ポピュリズム」だという批判に対し、「最も切実な分野には予算を惜しんではならない。我々に返ってくる恩恵の方がより大きいだろう。『ポピュリズム』ではなく『リアリズム』」だとし、「困難な状況を少しでも緩和するのに役立つなら、喜んで施行する」と述べた。

 ソウル市は、青年手当ての拡大を通じて、「基本手当」をめぐる議論を公論化していく方針だ。ソウル市のキム・ヨンギョン青年庁長は、「青年手当ては、青年だけでなく市民すべてに支援される基本所得(ベーシック・インカム)導入の礎になるだろう」とし、「汎社会的な対話機構の中で、基本所得に対する中長期計画を提示する」と述べた。朴市長も「青年所得の拡大は大きな枠組みで基本所得の一つだ」と説明した。

チェ・ユンテ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/area/capital/914319.html韓国語原文入力:2019-10-23 17:45
訳H.J

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